レベル4自動運転トラック「Trunk Tech」、港湾や幹線物流での大規模運用を目指す 

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自動運転技術を開発する「主線科技(Trunk Tech)」がこのほど、新たな資金調達を行った。調達額は数億元(数十億円)で、「越秀産業基金(Yuexiu Industry Investment Fund)」「衆為資本(ZWC Partners)」「渤海中盛(BHCP)」が共同でリードインベスターを務めた。

主線科技は2017年3月に設立され、同年にエンジェルラウンドで出資を受けた。19年にはシリーズA+で独ボッシュ・グループ(Bosch Group)のベンチャーキャピタル部門「RBVC」などから資金を調達している。

同社は主に港湾エリアや高速道路利用の物流に向けて、自動運転レベル4のトラック技術と運送サービスを提供している。具体的には閉鎖区域、半閉鎖区域、都市部におけるスマート物流システムなどをカバーしており、自動運転技術を通じて港湾物流ハブや高速道路、ロジスティクス・パーク、市内配送などさまざまな物流シーンの活性化を目指す。

主線科技は設立当初から三段階の発展計画を掲げてきた。第一段階では、港湾エリアなど閉鎖的な低速物流シーンにおいて自動運転レベル4のビジネス運営を実現する。今年10月時点で、同社は中国国内の港湾に自動運転の電動コンテナ輸送トラックを100台以上納入している。張天雷CEOは「天津港ではすでに完全自動運転が実現され、運転手も、運転を監視する安全要員も必要なくなった」と語る。

第二段階では、幹線物流など高速道路を利用する半閉鎖区域で自動運転レベル4の物流を実現する。現在、数十台の自動運転トラックを投入して、「京東物流(JD Logistics)」「徳邦快逓(Deppon Express)」「福佑卡車(FOR-U)」「申通快逓(STO Express)」などの物流会社と実際の運用を行っており、累計走行距離は120万キロメートルを突破した。同社が開発した自動運転システム「Trunk Master」により、本来なら運転手が2人必要な業務を1人で行えるようになった。

第三段階では、閉鎖・半閉鎖区域における膨大なデータの蓄積を元に自動運転システムの改良とアップデートを続け、都市貨物輸送のシーンをカバーする自動運転レベル4のビジネス運営を実現する。

現在の主線科技はまだ第二段階にいる。今回の資金調達を受け、次世代自動運転トラックの開発と量産にいっそう力を注ぐ考えで、幹線物流における自動運転事業の運営と港湾エリアにおける自動運転市場の開拓を推し進めるとしている。

しかしあらゆるシーンをカバーした自動運転トラックの大規模運営は一社だけで達成できるものではない。自動運転トラックの量産には産業全体の連携と協力が欠かせないが、量産可能な車載センサーやシャーシバイワイヤなどハード面が十分に成熟していないことが課題だと主線科技は指摘する。またデータ量の少ない特殊なケースでは精度が落ちるという「ロングテール問題」を可能な限り排除するため、実際のテストデータを継続的かつ大量に集めて、自動運転システムの安定性や信頼性を確保することも必要になる。

主線科技はこれらの課題を解決すべく積極的に産業エコシステムを形成し、提携パートナーと協力して自動運転トラックの量産を目指している。これまでにLiDARメーカーの「禾賽科技(Hesai Photonics Technology)」や米ベロダイン(Velodyne)と戦略提携を結んだほか、シャーシバイワイヤについても株主ボッシュなどからのサポートを受けている。また、AIチップの中国スタートアップ「地平線機器人(Horizon Robotics)」とも協業し、幅広い商用車に適用可能なレベル4自動運転ドメインコントローラーを開発している。

張天雷CEOは次のように語る。「今後の5年間で、自動運転トラックの量産と大規模運用を行い、中国全土にある数百もの物流ハブや数千本の物流運送路線を徐々にカバーしていきたい」

(翻訳・畠中裕子)

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