有望視される掃除ロボット 今年設立の新興メーカー「Zbeetle」が2度の資金調達

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有望視される掃除ロボット 今年設立の新興メーカー「Zbeetle」が2度の資金調達

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家庭用サービスロボットの開発・販売を手掛ける「深圳甲殻虫智能有限公司(Zbeetle)」が今年2度の資金調達を行い、合わせて1億元(約18億円)以上を調達した。9月のラウンドは「凱輝基金(Cathay Capital)」と「万物資本(Zoo Capital)」が、11月のラウンドは「INCE Capital」と「麦星投資(Maison Capital)」が共同で主導した。

掃除ロボットには今、投資家からの期待が集まっている。中国市場で46.1%のシェアを占める家庭用ロボットの総合メーカー「エコバックス(ECOVACS、科沃斯)」は、時価総額が1000億元(約1兆8000億円)を突破し、株式も発行価格の8.03元(約142円)から11月4日には最高値の191.3元(約3390円)にまで上昇し、上げ幅は約25%となった。

第三者機関によるデータを見ると、中国のロボット業界では2020年に242件の資金調達が行われ、合わせて267億7000万元(約4800億円)が調達されたが、このうち床掃除ロボットを中心とする掃除ロボット分野が約13%を占めている。2021年になっても清掃ロボットへの投資熱は衰えず、1回当たりの投資額もさらに増加した。2021年に入り、中国の床掃除ロボット業界ではすでに10回以上の資金調達が行われている。その中で最大の資金を確保したのはスマート家電メーカーの「追覓科技(Dreame Technology)」で、シリーズCでの調達額は36億元(約640億円)に達している。

スイスの投資銀行「UBS」は、2025年までに床掃除ロボットの市場は、国際市場で130億ドル(約1兆5000億円)、中国市場で50億ドル(約5700億円)の規模に達すると予測する。「中信証券(CITIC Securities)」のレポートによると、現在中国都市部の家庭における床掃除ロボットの普及率は8%にも満たず、市場には開拓の余地があることが示されている。

また、2020年だけで世界の床掃除ロボット産業の特許出願件数は4906件と非常に多く、そのうち中国の出願件数は95.85%を占めている。

Zbeetleは、マイクロソフト(Microsoft)やスマート家電の「緑米聯創科技(Lumi United Technology)」でのキャリアを持つ鄭権氏により今年1月に設立された。Zbeetleは設立当初から、家庭用スマートサービスロボットの商品体系を構築し、多くの家庭にロボットを浸透させることを目標としていた。そして床掃除ロボットは、消費者の導入可能性が最も高い製品だった。

顧客浸透率向上の方法について、創業者の鄭権氏は以下のように述べる。「2つの側面から検討するべきだ。1つ目は消費者が清掃関連製品を購入する際に最も重要視する清潔さ。2つ目は本当に手が解放されて自由になるかどうかという利便性だ。」

Zbeetleの最初の製品である全自動床洗浄ロボット「XWOW(暁舞)」は、これまでにない家庭用スマートクリーナーだ。同機では、本体構造、コアアルゴリズム、モップの構造などに革新的技術が投入され、床掃除機能をベースにハンディタイプ床洗浄機のモップ機能を統合し、最高水準の清掃を可能にしている。その点が、他の製品と競争するための圧倒的強みとなっている。

「スマートホームは、技術と製品の両方が発展の原動力となっている。ここ数年、床掃除ロボット業界では、供給側のイノベーションにより爆発的にビジネスが進化した。私たちは長らくこの業界を注視してきたが、Zbeetleは技術革新および製品化の面で最も優れた企業だと考えている」凱輝基金パートナーの丁立俊氏はこう語った。

創業者チームは以下のようなメンバーで構成される。

CEO(最高経営責任者)鄭権氏:インターネットおよびスマートハードウェア製品の分野で16年以上のキャリアを持ち、IBMやマイクロソフトの研究開発センターに勤務後、緑米聯創の副総裁とドアロックセンターの総経理を務め、業界トップの大ヒット商品となるスマートドアロックを作った。

CTO(最高技術責任者)鐘智淵氏:「シュナイダーエレクトリック(Schneider Electric)」やマイクロソフトの研究開発センターでの勤務経験があり、スマートハードウェア製品の研究開発に18年従事している。以前は緑米聯創の研究開発責任者と主幹エンジニアを務めており、中国初のスマートホームゲートウェイシステム「HomeKit-ZigBee」を開発した。

COO(最高執行責任者)梁銘氏:グループ企業の戦略統括などの分野で20年に及ぶ経験を持つ。かつてアップル(Apple)でグローバルサプライチェーンの責任者を務め、アップルのサプライチェーン資産IoTシステムをゼロから構築した。

CMO(最高マーケティング責任者)申勇氏:かつて小米(シャオミ)のスマートホーム家電の販売および運営責任者を務め、年商100億元(約1800億円)以上の販売市場を担当していた。

(翻訳:浅田雅美)

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