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メガネ型AR(拡張現実)デバイスに使われる光学技術と言えば、プリズム、自由曲面、光導波路、ライトフィールドなどが挙げられるが、中国メーカーだと主流は自由曲面プリズム。その他は一部で光導波路が使われるにとどまる。
そのような中、グーグルグラスと同じ半透過半反射型プリズムを採用したのが、AIやAR技術に特化した「阿法龍科技(a.long)」だ。「価格やサイズを考慮して選択した」と説明するのは、CEOの徐培培氏。同氏によると、同社の製品は有機ELディスプレイを搭載し、視野は21度、画面解像度は640×320dpiだという。
同社は産業用ARグラスのハードウェアとプラットフォームで事業を展開している。現段階では主に以下のような場面で活用されている。
■セキュリティ:顔認証技術を用いた個人情報の取得や、車両情報やナンバープレート情報の取得など。北京市や四川省など一部の公安局がすでに導入済みだ。
■ハイエンド製造:遠隔操作を要する生産現場に導入される。生産管理担当者が現場の画像を受信しながら、音声などを通じて遠隔で指示を出す。生産スタッフが装着したメガネには、管理担当者がマークした目印などが現実の視界に重なって見えるようになっている。京東集団(JD.com)やコカ・コーラなどの大企業で試験的に導入されている。
■中古車販売:車両点検や受け渡し段階で活用されている。画像転送機能を用いて遠隔でシャーシを点検できる。IT大手「神州数碼(Digital China)」と提携して、スマートシティプロジェクト向けに数千台を納品する予定だ。
また、グラスの使用感についても改良を重ねてきた。徐CEOは、「ARグラスの良し悪しは、重さ、使用可能時間と精度にかかっている。軽くするためには、素材のほかに、搭載するチップやバッテリーも軽量化する必要がある。使用可能時間にはバッテリー持続時間が関わってくる。精度の向上は、アルゴリズムやカメラの進化を伴うものだ」と説明する。
同社製品「Alpha S1」は重さ30グラムで、多くの競合製品よりも軽い。使用チップは、来年にもASICを搭載する予定だ。また、特許を取得したブレ防止カメラで精度を上げていく。
現在、AR系ウェアラブルデバイスを開発する国内の主要メーカーは「影創科技(SHADOW CREATOR))、「亮風台信息科技(HISCENCE)」、「悉見科技(SEENGENE)」、「0GLASS」、「亮亮視野(LLVISION)」などだ。競争は激しさを増してきており、新規参入メーカーは巨額のコストを投じて市場を開拓する必要があるだろう。
阿法龍科技はすでに1000個以上の産業用ARグラスを生産しており、ロシアやシンガポール市場にも進出している。スマートデバイスメーカー「智慧海派科技(HIPAD INTELLIGENCE)」との提携で量産を実現するとともに、智慧海派科技のサプライチェーンなどを活用して生産コスト圧縮にも成功した。
阿法龍の従業員は約20人。徐CEOはVRスマートグラスの開発に長年従事してきた。現在、新製品の開発のためにシリーズPre-Aで1500~2000万元(約2億4000万~3億2000万円)の調達を計画しているという。(翻訳・愛玉)
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