半導体ウエハー工場の自動搬送システムを供給する中国ベンチャー、世界の主要受託製造企業を顧客に

36Kr Japan | 最大級の中国テック・スタートアップ専門メディア

日本最大級の中国テック・スタートアップ専門メディア。日本経済新聞社とパートナーシップ提携。デジタル化で先行する中国の「今」から日本の未来を読み取ろう。

スタートアップ注目記事

半導体ウエハー工場の自動搬送システムを供給する中国ベンチャー、世界の主要受託製造企業を顧客に

7月1日より、これまで36Kr Japanのメディアで提供していた記事のうち、一部スタートアップ企業に関するニュースについては、有料コンテンツサービス「CONNECTO(コネクト)」の会員限定で提供します(初期段階では無料会員も対象とします)。まだ登録されていない方は、ぜひそちらをご利用ください。

原文はこちら

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録

続きを読む

半導体設備および部品のサプライヤー「弥費科技(MEET FUTURE)」が、シリーズBで数億元(数十億円)を調達した。中国政府系企業「通用技術集団(GENERTEC)」傘下のハイテク設備産業投資ファンドがリード・インベスター、「海通創新証券(Haitong Innovation Securities)」、「博将資本(Bojiang Capital)」がコ・インベスターを務めた。

弥費科技は半導体ウエハー工場の自動搬送システムAMHS(Automated Material Handling System)の生産、開発、販売を手掛ける。2014年設立で本社は上海、シンガポールに子会社がある。生産拠点の上海では2000平米の工場が稼働中で、22年末には8000平米の工場が稼働予定だ。

AMHSは、半導体ウエハー工場の生産性に直接影響する重要なシステムの一つだ。例えば月産4万枚の28nmプロセスウエハーの全自動工場では毎日数十万ものウエハー搬送容器を運ぶ必要があり、AMHSシステムを導入して生産効率を高めることは大規模生産のための優先事項となっている。

創業者の繆峰CEOは「弥費科技は半導体ウエハー工場向けAMHSを提供する中国唯一のサプライヤーだ。製品は搬送設備、保管設備、浄化設備など10以上の設備とそれらを調整・管理するシステムで構成される」と話す。

繆CEOによると、12インチウエハーの工場がAMHSを購入した場合、購入額はウエハー工場の固定資産投資の約3%になる。これは、超大規模生産をする半導体工場ならAMHSへの投資額は数千万ドル(数十億円)、ひいては数億ドル(数百億円)に達し、中国では毎年40~50億元(約750億~940億円)の需要があることを意味する。国際半導体製造装置材料協会(SEMI)の報告書によると、世界の半導体メーカーは22年までに29のウエハー工場を新たに建設する予定だ。

コロナ下で応答性の高い顧客サービスに対する需要が高まり、世界で中国製AMHSが採用されるチャンスが訪れて弥費科技の成長を後押しした。同社は17年から国内外の主要なウエハー工場に製品納入を始め、21年には中国の有名なウエハー工場から注文を受けている。世界の5大ウエハー受託製造企業のうち、4社が弥費科技のAMHSを導入済みだ。

繆CEOは、同社の強みとして先発優位性と人材面の優位性を挙げる。AMHS開発では3~4年の先発優位性があり、人材面の優位性では「AMHSは半導体産業のニッチ分野で中国では人材が不足しており、チームを組織するのは簡単ではない」と話す。同社のメンバーは中国や海外の主要IC(集積回路)、ウエハーメーカーおよび半導体製造装置企業の出身で、半導体ウエハー工場の運営や自動生産システムに関して10年以上の豊富な経験を有する。技術者は22年初めには全従業員の35%にあたる約140人だったが、22年第2四半期には220人以上に増やす予定だ。

今後について繆CEOは「次の目標はさらに多くの半導体ウエハー工場にAMHSシステムを納入し、改良を重ねて市場シェアを高め、グローバル化を加速することだ」と話す。

顧客である大手ウエハーメーカーは今後3年以内に工場を建設する計画があり、弥費科技の業績は23~24年に200~300%の成長を維持すると予想される。また、納入増加に伴い、製品の生産能力と歩留まりの向上が今回調達した資金の重要な用途となるだろう。

(翻訳・36Kr Japan編集部)

7月1日より、これまで36Kr Japanのメディアで提供していた記事のうち、一部スタートアップ企業に関するニュースについては、有料コンテンツサービス「CONNECTO(コネクト)」の会員限定で提供します(初期段階では無料会員も対象とします)。まだ登録されていない方は、ぜひそちらをご利用ください。

原文はこちら

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録

関連記事はこちら

関連キーワード

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録