ポップアップショップ運営の「FUSE」 、単なる運営代行業からオフラインのデータ分析業へ

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2016年頃から中国ではポップアップショップが爆発的に増え、年平均成長率100%の成長を続けている。ショッピングモールなどの中に小さいスペースを借りて期間限定の店舗を開設するのが普通だが、無人ショーケースでポップアップショップをより手軽にしたサービスを展開しているのが「FUSE」だ。

FUSEのターゲットは25~35歳の都会で暮らす女性だ。彼女たちが頻繁に訪れるショップ、コーヒーショップ、ジムなどにショーケースを置き、体験型マーケティングを展開する。

eコマースで急成長した新しいブランドや新製品は、そこからオフラインに展開する時に苦戦する傾向がある。実店舗のコスト、立地選択、チャネルなどが高いハードルになるのだ。ポップアップショップは、実店舗運営のデモンストレーションとして手堅い選択肢だ。

FUSEの共同創立者・屠熙蔚氏は「ポップアップショップが追求するのは、供給(スペース提供側)と需要(ブランド側)の成長だ。成熟した商品が露出を高めたい場合は、シンプルかつ迅速に実現できる戦略が適している。広告のようなものだ」と語る。

しかし、新製品や新ブランドが商品ラインを最適化したり実店舗をオープンしたりする場合は、多様なシーンを想定して、A/Bテストを重ねる必要がある。 FUSEが行う小売コンサルティングは、適切な立地やターゲット層を明確にして、その後の店舗運営やチャネル戦略のためにデータを蓄積することが目的だという。

ポップアップ戦略とその価値はすでに広く知られており、多くのブランドがオフライン展開する際の選択肢としている。同時に、こうした戦略を提案する企業も増えた。ブランド側は実際の効果をより重視し、コストはかかっても確実な結果を出せるパートナーを選択するようになっているという。

FUSEもオフラインのデータを重視している。FUSEの競合企業はすでに単なるポップアップショップの運営業者ではなく、オフラインにまつわるビッグデータを分析するサービスプロバイダーだからだ。その中でFUSEが強みとするのは、顧客グループの正確な見極めと、細分化されたシーンごとのオフラインデータの収集だ。FUSEは、ミレニアル世代の女性の行動パターンに絞ってさまざまな角度から分析し、より説得力がある結論と解決策を導き出す。

現在、FUSEはコワーキングスペースの「WeWork」や「W Hotels」などを含む300以上のブランドおよび100近くのスペース提供者と提携している。このほかFUSEは、今年、大手小売企業2社に対して、新店舗の計画や展示などについてのソリューションを提供するという。
(翻訳・神江乃緒)

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