世界でニーズ高まるライブコマース、ワンストップでサービス提供する「Wahool」が資金調達

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ライブコマースサービスプラットフォームの「Wahool」がプレシリーズAとシリーズAで計1000万ドル(約13億円)近くを調達した。プレシリーズAの出資者は金沙江創投(GSR Ventures)、シリーズAは策源創投(Ceyuan Ventures)。これまでに、エンジェルラウンドで沢厚資本(BW Ventures)が出資している。

データによると、2020年の世界の電子商取引(EC)売上高は4兆2800億ドル(約550兆円)で、20~24年の年平均成長率は10%と予想されている。ECではライブコマースの導入が大きなトレンドとなっており、中国ではECの売上高を大きく押し上げている。コロナ禍以後、海外ユーザーにもライブコマースを視聴する習慣が徐々に広がり、メディアのEC化やECのメディア化という流れがある中、中国発のプラットフォームは高い競争力を示す可能性がある。

Wahoolは2021年に「Amazon Live」で配信を開始し、インフルエンサーを送り出すルートを構築。サプライチェーン資源を統合して商品選定、マーケティング、品質管理、アフターサービスを含むワンストップのデジタルサービスを提供、事業者(ブランドと工場)、プラットフォーム、インフルエンサーを結ぶ業務エコシステムを作り上げた。現在はAmazon の他にTikTok、Instagram、Facebookなどのプラットフォームにも進出している。公式発表によると、Wahoolが今年3月時点で契約もしくはインキュベートした海外インフルエンサーは約1000人、売上高は月間600万ドル(約7億8000万円)を超え、四半期ごとの平均成長率は146%となっている。

Wahoolはモノ、ヒト、運営を管理することでブランドとインフルエンサーを効率的につなぐライブコマースサービスプラットフォームの構築を目指している。提携ブランドは、温湿度計の「Govee」、ポータブル電源の「EcoFlow」、骨伝導イヤホンの「Shokz」、ロボット掃除機の「eufy by Anker」、ヘルスケアグッズの「RENPHO」など500社を超える。

創業者でCEOを務めるCalvin氏はかつてAmazonに在籍し、アパレルEC業界で10年以上の実務経験を有する。他のコアメンバーはAmazon、ニュースアプリ「今日頭条(Toutiao)」、P&G、米化粧品大手のエスティ ローダーなどの出身だ。ニューヨークと広東省広州市に支社を構え、技術力のある国際色豊かな社員を抱えている。

10年以上にわたり発展してきた越境EC市場では多くの上場企業やユニコーンが生まれただけでなく、アリババ、京東(JD.com)、バイトダンス(字節跳動)などのインターネット大手も事業を展開し、今後も大きな資金流入が見込まれる。ライブコマースが海外で発展し、事業者の導入や新規参入などが進めば、サービスプロバイダーの価値はますます高まるだろう。
(翻訳・大谷晶洋)

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