急成長する拼多多の課題と王者アリババの反撃

36Kr Japan | 中国No.1スタートアップメディア日本版

中国最大のタートアップメディア、36Krの日本版です。先端企業の技術開発、業務提携、ファイナンス状況など中国の「今」を現地から届けるとともに、日本人向けの解説などのオリジナル記事を発信します。36Kr日本版を見れば、中国が分かります。

大企業注目記事

急成長する拼多多の課題と王者アリババの反撃

メールアドレスを登録して中国最新情報入手

続きを読む

中国電子商取引(EC)二大巨頭の地位を脅かす存在が現れたようだ。

急成長する拼多多

「1位はアリババ、2位は京東(JD.com)」は、長い間中国EC界の常識であった。しかし、騰訊(テンセント)の出資を受ける「拼多多(ピンドォドォ)」の2018年度決算発表をきっかけに、「EC第2位」の交代がいよいよ現実味を帯びてきた。

利用者数だけ見れば、拼多多はすでに紛れもなく中国第2位のEC企業だ。アクティブユーザー数は2018年第2四半期に京東を追い抜き、さらに2018年の年間アクティブバイヤー(頻繁に買い物をする顧客)数は京東の3.1億人を大きく上回る4.2億人を記録した。

これは、拼多多が京東に次ぐアリババの第2のライバルになる可能性があることを意味する。

拼多多により宅配業界の市場規模が拡大

2018年拼多多のモバイルプラットフォーム経由の取引数は111億件であった。拼多多にはショッピングカート機能がなく、1件の注文で同一商品しか購入できないため、基本的に1件の注文ごとに1つの荷物が配送される。これにより、大手宅配企業5社「四通一達」(申通快遞、円通速遞、中通快遞、百世匯通、韻達快遞)の取引量は大幅に増加した。

物流業界の「四通一達」にとって拼多多の成長は新たな希望だ。これまでアリババ傘下の淘宝網(タオバオ)、天猫(Tモール)依存が顕著であった物流業界は値下げ合戦に苦しんでいた。拼多多の出現により市場のパイが大きくなり、今や宅配業者の総取扱個数のうち20%を拼多多が占める。しかし、アリババにしてみれば、拼多多の登場によって物流業界における自身の影響力が弱まる結果となったことになる。

アリババの反撃

この1年間、アリババは拼多多を真似た「共同購入」機能や価格競争に勝つための「タオバオ特価版アプリ」を次々と導入した。また、拼多多と同様の生産者と消費者をつなぐC2M(Customer-to-Manufactory)路線へ転換し、新たな格安販売「天天特売」を打ち出した。

さらに、アリババは出店業者が行ったライブ配信「タオバオライブ」によって、拼多多が掘り起こした地方の新規ユーザーを取り込もうという大胆な一手も打った。この1年間でタオバオライブによる取引規模は1000億元(約1兆6000億円)を超え、アリババのEC成長の要となった。今年の春節に合わせてライブ配信専用のアプリまで開発したほどだ。

このように、アリババはユーザー、商品、手法の全てにおいて拼多多に真っ向から反撃しようとしている。

アリババは拼多多の勢いを止められるのか

一方、ソーシャルアプリ微信(WeChat)の生み親テンセントの経済圏の一員である拼多多は、アクティブユーザー数10億人という微信(WeChat)の力を借り、ミニプログラム(WeChat内で利用できるインストール不要のアプリ)を介した利用で大成功を収めた。ユーザーはWeChat内で商品リンクをシェアしたり、共同購入の仲間を探したり、テンセントの得意分野であるSNSを活用することによって、ユーザーの購買意欲が次々と伝染するようなビジネスモデルが出来上がった。

こうして拼多多は驚くべき速度で成長し、巨大な京東の牙城を崩した。今やアリババにもライバル視される企業となったが、アリババのEC1位の座はそう簡単に奪えるものではない。今後も、2社は競争を勝ち抜くために資金を投入し続けるだろう。

しかし、主力事業以外への拡大戦略を続けるアリババの純利益率は数年前まで50%以上あったが、今では20%あまりに落ち込んでいる。

この状況下で、拼多多の勢いを止めるためにさらに多くの資金を投じることは、本当に正しいと言えるだろうか。もしアリババが利益率の維持を第一に望むのならば、今までの拡大戦略を見直すのは必然ともいえる。

拼多多はアリババの真のライバルになれるか

長いスパンで見た場合、拼多多は本当にアリババの脅威になり得るだろうか。

中国EC市場には天下のタオバオ、天猫(Tモール)、京東以外にも、「唯品会(Vipshop)」や「磨姑街(Mogujie)」等、特色あるECサイトが数多く存在する。拼多多は当初ライバルの少ない地方をターゲットにして急成長したが、事業拡大に伴い他社との競争も激化し、今後のビジネス展開は容易ではない。

拼多多は、価格に敏感なユーザーに対し、送料等の費用を「補助」するというビジネスモデルにより、地方都市で大量の顧客を獲得した。しかし価格重視のユーザーは徐々に減り、価格閾値が上昇することによって、この「補助」サービスは価値を失いつつある。その結果、バイヤー維持のためにマーケティング費用が過度に増加してしまったということになる。第4四半期の財務諸表には、すでにこの問題が表面化している。拼多多のマーケティング費用は前年同期比699%増の60.24億元(約963億8000万円)に膨れ上がり、前四半期の32.3億元(約516億8000万円)のほぼ倍になった。

また、拼多多の第4四半期ピーク時の収益率(営業利益÷売上高)は2.77%と、第3四半期の2.85%にも第2四半期の3.28%にも及ばない。大量の資金を投じても、相応の効果が得られない。これは拼多多にとって大きな悩みの種だ。拼多多が今後もアリババへの挑戦を続けるなら、こうした多くの困難に立ち向かわなければならない。

とはいえ、拼多多はなお目覚ましい勢いで発展しており、アリババもその脅威的存在に気づき始めている。中国ECトップ2社の争いは今後も続いていくだろう。
(翻訳・桃紅柳緑)

メールアドレスを登録して中国最新情報入手

関連キーワード

メールアドレスを登録して中国最新情報入手