「狙いは次なる成長法人」、中国初の市場化ファンド・オブ・ファンズ「 元禾辰坤」

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「狙いは次なる成長法人」、中国初の市場化ファンド・オブ・ファンズ「 元禾辰坤」

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FOF(ファンド・オブ・ファンズ)は過去数年間における一次市場の拡大と共に、広く知られた用語になった。

しかし、ベンチャーキャピタルファンドが中国で始まったばかりであった2006年、FOFはほとんどの金融専門家にとってなじみのないものだった。「元禾控股(ORIZA HOLDINGS、旧称:中新創投)」はこの1年にわたり、従来手がけてきた直接投資事業に基づいてFOF分野を開拓することを決定し、業界に先駆けてスタートアップ投資機関を対象にしたファンド・オブ・ファンズを設立した。

先行しているという優位性や過去13年間にわたって組織を挙げて進めてきた積極的な探求が功を奏し、「元禾辰坤(元禾控股傘下のFOF投資管理プラットフォーム)」は巨大なGP(ジェネラルパートナー)のコミュニティを形成した。 同グループが管理する資金の規模は200億元(約3300億円)以上であり、医療やヘルスケア、スマート製造、企業向けサービスから消費のアップグレードおよびカルチャー、エンターテイメントまで、58グループが管理する84のベンチャーキャピタルファンドに投資している。

元禾辰坤は、さまざまな規模とタイプを包括するGPのネットワークを形成しており、投資先のGPリストには「啓明創投(QIMING VENTURE PARTNERS)」、「金沙江創投(GSR Ventures)」、「北極光創投(northern light VENTURE CAPITAL)」など古参の総合的な法人が含まれている。現在、優良法人と成長中の法人の双方を取り込むGP配置がFOFにおいて一般的になっているが、元禾辰坤は10年前から成長中の法人を積極的に発掘しており、医療やヘルスケア、先進技術、スマート製造の分野で大きな成果を上げている。

元禾辰坤のマネージングパートナーである徐清氏はインタビューで、「長期的に見て、ファンド・オブ・ファンズにおけるより大きな一連の機会は産業配置に存在する」と指摘しており、元禾辰坤は医療やヘルスケア、IT技術などの産業チェーン全体を手がけるGPの配置をさらに強化する。

元禾辰坤はその規模のみならず、高い専門性でも評価を得ているが、その「専門性」を図る指標として、徐清氏は少なくとも以下の4つの点を挙げている。 いち早くGPの市場傾向を見抜く洞察力、持続的で安定した資金調達力、GPよりも高い視点からファンド内部の組織フローを抜本的に整理できる調整力、そしてGPと接する際に「指令者」ではなく、むしろ「アドバイザー」となれる姿勢だ。

資金の一部を政府から受けているFOFとして、元禾が設立当初から掲げているのは、市場化の原則である。具体的に言えば、同ファンドはGPに対して投資金返還の条件を定めず、資金は国内全体で投資することができる。

2011年頃、投資業界全体がプレIPOを注視していた時、元禾は迷うことなく、あえてこの機会を放棄した。

この決定は市場に対する元禾の明確な判断によるものである。当時のスタートアップは中・後期ステージが著しく過熱しており、質の高いプレIPOプロジェクトはほとんど残っていなかった。それよりも重要なのは徐清氏が固く主張している以下の点だ。ベンチャーキャピタルの核心は、投資を通じて市場傾向や先進技術の方向性を示すことができ、企業を上場させるという単一の目標ではなく、より積極的に業界の変革に加わることである。

「市場よりも半歩速い」ペースを維持すること、これこそ元禾辰坤の目標である。

各産業を深掘りする

2009年、同社は試験的に新鋭ファンド「鐘鼎資本(EASTER BELL CAPITAL)」に投資した。

鐘鼎資本は物流分野における膨大なリソースを生かして、「サプライチェーン+(プラス)」をコンセプトに発展を遂げることで業界での知名度を急速に上げ、「德邦物流(DEPPON LOGISTICS)」や満幇集団(フル・トラック・アライアンス・グループ)などのプロジェクトで大きな成果を手にした。第1期の投資後、5期連続で投資を続けている。

元禾辰坤は鐘鼎資本での成功から大きな手ごたえをつかみ、各産業分野をさらに深掘りする決意を強めた。

2012年に、徐清氏は各産業分野で成長中のファンドを体系的に探すことにした。その年、彼らは7つの産業(生物医学、先端技術など)を選び、各分野の専門性に長けた組織へ主にに投資するために、各業界に特化したファンドを設けた。

徐清氏が「成長中のファンド」を発掘し続けていることには、以下の3つの理由がある。

まず、一部の大手ファンドの資産運用規模が徐々に拡大してきたことに伴い、それらの資本利回りが、一部のポテンシャルを秘めた小規模ファンドと比較しても、必ずしも上回っていない現状があるからだ。

次に、ファンド・オブ・ファンズが市場の優良機関しか手がけないなら、その存在価値は薄いということ。新興の成長株を発掘することこそ、ファンド・オブ・ファンズが存在感をアピールする最も効果的な方法となるからである。

最後に、過去数年間で各業界は急速に変化しているが、古参勢はこうした新たな変化への適応力が弱いことである。こうした要素も、元禾辰坤が新生の成長株に特化する決め手となった。

今日、元禾辰坤が相対しているのは強者たちがしのぎを削るファンド・オブ・ファンズである。2017年の時点で、中国証券投資基金業協会(AMAC)に登録されているファンド・オブ・ファンズ管理機関の数は681であり、2018年第3四半期の時点で、ファンド・オブ・ファンズの管理規模は8800億元(約14兆6000億円)を超えている。

「我々は新たな変化とチャンスに備えるため、常に万全を期している」と徐清氏は語った。
(翻訳・虎野)

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