中国とつながりが深いベトナム・ハノイ、意外にも中華街が存在しない【中華ビジネス戦記】

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新型コロナウイルス感染拡大から2年半。ワクチン接種が進み、世界各国が外国人の入国緩和に踏み出しつつある。しかし、筆者がコロナ禍前に毎月のように訪れていた中国は、いまだ簡単には旅行できない。そこで10月の3連休を利用して、(強引なこじつけだが)中国との関係も深いベトナム・ハノイを旅行した。円安や物価高を感じながらも、2年半ぶりの海外旅行を満喫した。

最初の統一王朝は中国から独立

ベトナムは中国と1400km以上を陸路国境で接しており、紀元前2世紀から10世紀頃までは「北属期」と呼ばれ秦や漢、唐からの侵略に対抗しつつ、歴代王朝と朝貢関係を築いていた。

約1000年にわたって続いていた中国の支配から脱却し、初のベトナムの独立王朝となった丁(ディン)朝は、968年にハノイから90kmほど南に下ったニンビン省ホアルーに都を置いた。丁朝は1010年にハノイに遷都したが、ホアルーには丁朝の初代皇帝と2代目の霊廟が残されており、2014年に世界遺産に登録された。

アルーは唐の都長安に倣って設計されたこともあり、残っている建物は漢字が使われていたり中国らしさを感じる。

街中でも中国要素を時折見つけることができた。最初に目に入ったのは、「脱日本化」で最近話題になった雑貨チェーン「メイソウ(MINISO、名創優品)」だ。同社は日本ブランドを標ぼうし大きく成長したが、その戦略が猛批判を浴び、来年3月までに世界中の店舗を「脱日本」すると発表した。だが、ハノイのショッピングセンターで見かけた「メイソウ」ロゴは、ユニクロそっくりの従来のままだった。

食べ物で印象的だったのが「バイン チョイ タウ(​​bánh trôi tàu)」だ。ココナッツミルクと生姜が効いた温かい甘いシロップにごま餡入の白玉団子が入っていて、中国の人気スイーツ「湯圓(タンユェン)」とそっくりだった。

バッチャン村の陶磁器は15世紀に日本に輸出

ハノイからタクシーで20~30分のところにあるバッチャン村(Bát Tràng)は、明朝の影響を受けて発展した陶磁器の生産地だ。15世紀ごろには日本にも輸出していた。

街を歩くとほとんどが陶磁器を売る店で、輸出用に大量生産されたお皿やアニメキャラクターを模した置物から、職人が手作りで焼いたマグカップなど品質や値段もピンきり。店によって扱っている陶磁器もそれぞれで、数と種類の豊富さに圧倒された。

バッチャン村はハノイから少し離れているせいか観光客がほとんどおらず、観光地特有のしつこい店員もいない。「お茶でも飲んでゆっくりしていけ」と紅茶を淹れてくれた店もあり、村全体にまったりとした時間が流れていたのが印象的だった。

残念だったのは、これだけ中国とつながりの深い土地にもかかわらず、ハノイでチャイナタウンを見つけられなかったことだ。

時間もないので、以前ベトナムを旅行したときにドハマりした大衆ビアホール「ビアホイ(Bia Hơi)」を楽しむことにした。

ハノイの街を歩くとビアホイと書かれた看板の下で、プラスチックのカラフルな椅子に座りながら青いグラスに注がれたビールを飲んでいるベトナム人やバックパッカーの外国人が目に入る。1杯1万0ドン(約60円)ほどの生ビールを飲みながら、揚げ春巻きやアヒルのハーブ炒めなどのローカルベトナム料理を食べた。

ビアホイは基本的に個人経営なので、規模や提供している料理も店ごとに違う。数十席の小さめの店から数百席あるようなかなり大規模な店までさまざまだ。Google Mapで「Bia Hơi」と検索して出てきた店の写真や評価を見て目星をつけ、足を運んでお気に入りの店舗を探すのがおすすめだ。

筆者は今回の滞在で3店訪問した。半露店の店内でバイクがひっきりなしに通る様子を眺めながらビールを飲んでいると、2年半ぶりの海外を五感で味わえた。

阿生:東京で中華を食べ歩く26歳会社員。早稲田大学在学中に上海・復旦大学に1年間留学し、現地中華にはまる。現在はIT企業に勤める傍ら都内に新しくオープンした中華を食べ歩いている。Twitter:iam_asheng

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