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4月30日、アリババが展開する次世代スーパー「盒馬鮮生(Hema Fresh)」は、江蘇省にある昆山新城吾悦広場店を5月31日に閉店すると発表した。一方で、蘇州や昆山で今後さらに出店を進める計画であることも明らかにした。
「リテール業界に100%確実なことはない。特に店舗数が増加すると、健全な経営を維持するために、売り上げの良い店舗をさらに成長させ、業績の思わしくない店舗は直ちに調整することが必要となる。」盒馬側はこのように説明しており、今回の閉店が業績不振によるものであることが分かる。
盒馬鮮生は当初からネットと実店舗を融合したニューリテール戦略のモデルケースという立ち位置で、親会社アリババをはじめ変化を望むリテーラーたちの大きな期待を背負ってきた。その奮闘ぶりはめざましく、3年間で150店舗をオープンしたほか、小型スーパー「盒小馬(Hexiaoma)」、青果市場「盒馬菜市(Hema Caishi)」、コンビニ店舗「盒馬F2(Hema F2)」など新業態も展開。同社CEOの侯毅氏がインタビューで明かしたところでは、間もなく多くの店舗が黒字転換するという。
とはいえ、系列ブランドの盒小馬などは業績不調から縮小を余儀なくされており、重責を抱えた盒馬には疲れの色が見える。
この背後にあるのは運営のまずさだ。加速しすぎた出店ペースが店舗の人員不足という現状と合っていないほか、急激な拡大がサービス低下とずさんな品質管理を招き、店舗の運営効率が大幅に低下している。
業界内外では、期待の星だった盒馬がすでに落ち目だと気をもむ声や、小売業界が頼みの綱とするニューリテールが苦しい調整期に入ったとの懸念が上がっている。
幸い、盒馬自身も問題の深刻さに気づき始めている。
侯毅氏は近ごろ開催された内部大会のレポートの中で、「盒馬生鮮は最良のビジネスモデルか」、「オンラインの物流コストをカバーできるか」など、盒馬についての考察を述べている。
盒馬が変革を迫られているのは、経営の課題を解決するだけではなく、熾烈な市場競争に直面しているからでもある。生鮮食品デリバリー「叮咚買菜(DingDong)」が受注数とリピート率で追い上げており、フードデリバリー「美団点評(Meituan Dianping)」や家電量販大手の「蘇寧易購集団(Suning)」も生鮮市場に参入を始めた。ライバルひしめく環境では、判断ミスが命取りになる。侯毅氏が行った再考は賢明なことであり、まさに必要なことであろう。
問題が露呈した盒馬だが、実際には変化を急ぎすぎる小売業界の縮図とも言える。とはいえ成長の初期段階で問題は避けられないものであり、依然としてニューリテールは小売業界の全く新しいソリューションとして期待できる。侯毅氏はこう語る。「いくら困難に直面しても、ニューリテールが従来型の小売業に取って代わるという流れは決して変わらない」
(翻訳・畠中裕子)
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