テンセント傘下の一般向け医学情報サービス「騰訊医典」、AIアシスタントによるQ&Aなどを導入

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テンセント傘下の一般向け医学情報サービス「騰訊医典」、AIアシスタントによるQ&Aなどを導入

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IT大手テンセント(騰訊)が先月22日に開催した「2019騰訊全球数字生態大会(2019 TENCENT GLOBAL ECOSYSTEM SUMMIT)」で、同社が傘下で運営する医学情報プラットフォーム「騰訊医典」の新たな二つの機能を発表した。

騰訊医典は一般ユーザー向けに医療情報を提供するプラットフォームだ。今回は新たな試みとして、AIアシスタントによる医療情報Q&Aと、3D画像を活用した医療情報の可視化の2つを提供していく。前者は、体系化された医学情報のナレッジグラフ化や深層学習技術を活用した語義解釈によって、患者やその家族に対し、より正確で個人的需要に即した医療情報を提供する。後者は、複雑かつ専門的な医療情報をわかりやすく伝えるために3D画像を活用し、医者と患者間の意思疎通に役立てる。

近年、医療情報はインターネットを介して一般ユーザーでも得られるようになった。同時に、一般向けの医療情報は医療システムの入り口において有用な付加サービスとなっている。テンセント傘下のインターネット関連調査機関「企鵝智酷(PENGUIN INTELLIGENCE)」の調べによると、ユーザーの39%が何らかの病気に罹患すると、「まずインターネットで情報収集をする」と回答している。

テンセントで医療情報関連商品を統括する佟靖ディレクターによると、一般向けの医療情報は、より幅広く、より専門的なものが求められるようになっている。一般によく見られる疾患から重大疾患まで、体系化した情報が必要とされてきているのだ。

ただし、「知りたい」という需要はあっても、一般ユーザーの理解力には限界があり、また現行のキーワード検索システムでは求める情報にたどり着くことが難しい。その理由の一つは、正確かつ具体的なキーワードを絞ることができないユーザーが多いこと、もう一つは、指定のキーワードに紐づいて情報を抽出する既存のシステムでは、ユーザーの意図を汲むことができないため、求める答えが得られない場合が多いことだ。

そこで、騰訊医典ではAIを導入して、個別の需要に合致する情報を提供していく。具体的には、深層学習技術による語義分析や情報取得を通じて医学情報のデータベースを構築し、ユーザーの質問に適切に回答できる体制を固める。さらに、深層学習やNLP(神経言語プログラミング)を用いてユーザーの質問の意図を正確に把握し、場合によっては質問を返すことによって、回答に役立つ補足情報を追加するようにユーザーを導き、的確な回答を提供する。現段階では肺がん、乳腺がんに特化したAIアシスタントが稼働しているという。

実際のQ&Aのやりとり

さらに、これまでは主に画像とテキストで示してきた医療情報に、新たに3D画像を導入して、一般ユーザーにもわかりやすく専門的な内容を説明する。具体的には、人体の3D画像を、1)全体像および臓器、2)臓器内部、3)細胞レベルに分けて表示する。3D画像による可視化技術は従来、医療研修、臨床、遠隔医療などのシーンで活用されてきたが、今後はこれを一般向けにも開放していく。

3D画像モニター

こうした医療情報プラットフォームは、現段階では医療現場や展示施設などでの提供に限られてきたが、今後はオンラインで広く提供していく計画だ。さらに、将来的には手術過程のシミュレーションなど、より詳細な情報を取り込んでいく。

テンセント医療事業部門の張猛副総裁は、同プラットフォームについて、「ユーザーの需要に応えることを優先し、現段階では収益化を考慮していない」と述べた。なぜなら、医療・健康関連情報は公益性の高い情報であり、また、個人の健康問題に影響を及ぼすことから、他分野のようにコンテンツそのものを収益化することは不可能だと考えるからだ。医療機関や医薬品の広告手段に転用されるおそれもある。

また、騰訊医典は、科学的根拠に基づき、かつ客観的な情報を集積するため、全国200カ所の医療機関に所属する1000人の専門家と提携している。現在、1000種の疾患に関連する情報を掲載しているが、年内にこれを8700種にまで拡充する。さらに、テンセントの医療事業部門は今後、医師によるオンライン医療相談やAIによる医療コンシェルジュサービスも取り入れていくという。
(翻訳・愛玉)

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