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中国通信機器大手ファーウェイ(華為技術)が、「鴻蒙(HongMeng)」という商標を登録したことが明らかになった。業界では、「鴻蒙」は同社がこれからリリースする独自OSの名称であると伝えられている。中国の特許庁にあたる「国家知識産権局」によれば、2018年8月24日に提出された申請が、同年9月11日に受理され、2019年5月14日付けで商標が登録されたという。商標の有効期間は同日から2029年5月13日まで。
この商標は、スマートフォン、ノートPC、タブレット、OS、GPU等20種類以上のソフトウェア・ハードウェア商品またはサービスに使用されるという。
最近、ファーウェイのコンシューマー事業部CEOの余承東氏は親しい友人達に、(「鴻蒙」とされる)このOSは次世代技術に対応しており、スマホ、PC、タブレット、TV、車、ウェアラブル端末の統合を実現できると漏らしていた。この独自OSは、アンドロイドやあらゆるWebアプリと互換性を持つ。
余氏によれば、独自OSは早ければ今秋、遅くとも来春には実用化されるという。
5月21日、ファーウェイの創業者兼CEOである任正非氏は、メディアの取材に対し、独自OSの存在を否定しなかった。彼は、OSの開発はAIやIoE(全てのモノとコトがインターネットで結びつく)分野でも必要性があり、必ずしも他のOSに代わるものではない。しかし、具体的な用途は自分には分からないと述べた。
しかし、英フィナンシャル・タイムズ紙は、ファーウェイ西ヨーロッパのVPであるTim Watkins氏によれば、独自OSはすでに中国の一部地域で試験運用を開始しており、間もなく発表される見込みだと伝えた。
注目すべき点は、中国の神話に由来する「鴻蒙」という名称だ。これまでもファーウェイは神話にちなんだ商品名を多数発表しており、チップセット(SoC)の「麒麟(Kirin)」や初の5G商用チップの「巴龍(Balong)」、ほかにも「朱雀」や「白虎」といった商標も登録されている。
「鴻蒙」という名前は、中国国内のOSを取り巻く現状にぴったりと当てはまる。中国の神話での「鴻蒙時代」とは、天と地が分かれる前の古代を指す。あらゆるものが混然一体となり、混沌とした時代である。現在、中国にはPCやスマホ向けの独自OSは存在せず、OSの「鴻蒙」段階にあるといえる。
同時に世界を切り開くという意味の「鴻蒙」はファーウェイの意気込みも示している。中国のOS開発の現状を打開するため、ファーウェイはまさにゼロからスタートしているのだ。
(翻訳・桃紅柳緑)
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