フランチャイズ2.0 新たなビジネスチャンスに

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今年上半期、中国市場で最も注目を集めたのがインド発の格安ホテルチェーン「OYO Hotels & Homes(OYOホテルズ)」だ。1年半で1万店以上のホテルと提携し、客室数は50万室を超えている。

OYOの急速な市場拡大の背景となったのが、米国や欧州に比べ、中国のホテルのフランチャイズチェーン(FC)展開率が格段に低い点だった。これに加え、中国では飲食店、自動車アフターサービス市場、エステなどオフライン業態のFC展開率も同様に低い。小売業を例に挙げると、全国約 700 万店の小規模店舗が全販売ルートにおける出荷量のほぼ40%を占めており、中国では個人経営の店舗がオフライン販売体系を支えているといえる。

だが、この状況は変わりつつある。実店舗数は飽和状態であるうえ、品揃えによるメリットは減っており、高度な運営能力が求められるようになりつつある。またECとO2O(Online to Offline)がオフラインビジネスのチャンスを奪っており、個人店舗の生き残りは厳しさを増した。さらにデジタル化によって「フランチャイズ店」の管理は容易になり、フランチャイズのブランド拡大にとって好都合な状況となった

つまり、各業界にとっては、現状はオフライン店舗のフランチャイズ化、ブランド化の好機となっている。運営能力と特色あるサービスを兼ね備えた中小ブランドの拡大にとってはフランチャイズが重要な手段であり、このため、サードパーティであるフランチャイズサービスプラットフォームも商機を見いだしている。

フランチャイズプラットフォームは、店舗拡大を目指すブランド側(本部)と出店を希望する出資者側(加盟店)の仲介役となり、主に広告費とフランチャイズ費用の一部を収益源としている。そのサービス形態としては、イエローページ(FCブランド情報サイト)運営、加盟店舗数拡大及び出店支援、マッチング(展示会主催)の3つを主としてきた。

ところが、過去に偽ブランドへのフランチャイズ加盟という問題も発生している。特に上述の前2種のサービス形態で頻発し、ブランド側と加盟側のいずれも深刻な影響を被っている。800店を超える直営店をもつ火鍋レストランチェーン「呷哺呷哺(シャブシャブ)」は、よく似た名称の異なるブランド「呷脯呷哺」が某FCブランド情報サイトに掲載されていたため、このサイトを訴えた。ティースタンド「鹿角巷(THE ALLEY)」はその典型例で、黒糖タピオカラテの大ヒットを受けて11店の直営店をオープンしたときには、偽店舗数がすでに500店に達していたという。

自身では一切の商品またはサービスを手がけず、仲介料のみで成り立っていたフランチャイズプラットフォームだったが、社会的信頼性の低下と、媒体の多様化により状況は変化しつつある。現在は出店場所の選定から店舗運営、あるいは経営上の意思決定や人員管理はすべてシステムを通じて行うことが可能となり、結果としてフランチャイズの有用性が見直され、新しいタイプのフランチャイズサービスプラットフォームが登場してきている。

この新型サービスの成功にとって重要なのは、世の中に大量に散在している中小ブランドおよびオフライン店舗の情報を把握することだと思われる。そのうえで、ブランド側との高度な提携を図り、自身のブランド化を手がけることも可能となる。さらには仲介成約後も出資者と密に連絡を取り、フロント業務に対してシステム、サプライチェーン、教育などの一連のサービスを提供することも必要だ。

加えてFCに加盟する前後のサービスも重要になってくる。加盟前には、出資者向けの有償の情報提供、職業訓練およびコンサルティングサービスが欠かせない。これらのコンテンツを充実させることで、結果的にサービスの信頼性が向上し、利用者の増加につながる。また加盟後には、サプライチェーンのサポートサービスに注力できる。一例を挙げると、フランチャイズサービスプラットフォーム「商機去哪兒(sjqnr.com)」はSaaSシステム企業「来客」を買収し、全加盟店にこのシステムを使用させることで、ブランド側と加盟店がプラットフォーム上で連携でき、その後別のサービスを提供する際にも役立っている。

さらにはフランチャイズ店舗の代理運営や新ブランドのインキュベーション業務にまで手を広げることもできる。新しいチャネルを通じた集客能力や、ターゲットとする業界の背景を理解していることも、成功に欠かせないアドバンテージとなるだろう。
(翻訳・神部明果)

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