IoT活用のクローゼット型衣類乾燥機、時短かつ非接触で学校やマンションに人気

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IoT活用のクローゼット型衣類乾燥機、時短かつ非接触で学校やマンションに人気

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クローゼット型共用衣類乾燥機ブランドの「海豚共享干衣櫃項目(以下、海豚干衣)」を展開する中国企業「迅哲網絡科技」が、エンジェルラウンドで洪七投資集団から数千万元(数億~十数億円)を調達した。

2021年に立ち上げられた海豚干衣は、モノのインターネット(IoT)技術をベースに、衣類同士が触れ合わない吊り下げ式のクローゼット型衣類乾燥機を開発している。製品は学校やマンション、社員寮など一定の需要が見込まれる場所の共用部に設置され、天候やスペースなどの制約を受ける洗濯物の乾燥問題を解決する。

全国家庭用電器産業情報センター(NAIC)のデータによると、中国では2022年の衣類乾燥機単体の販売額が前年比12.3%増の83億元(約1640億円)だった。しかし、中国市場はまだ普及期にあると言える。海豚干衣を創業した胡蘊明氏によると、乾燥機の普及率は欧米が70%を超える一方、中国は10%ほどにとどまっており、市場には大きな成長の余地があるという。

洗濯機とは異なり、衣類乾燥機は生活するうえでの必需品ではないが、学校や賃貸マンション、社員寮などでは一定の需要が見込まれる。海豚干衣はどのように製品を目立たせ、ユーザーのニーズを満たすかを考えた結果、IoTを導入した共用型の製品で市場に参入することを選んだ。

従来の衣類乾燥機は大きく2つに分類される。1つは家庭用の小型乾燥機で、価格は安く、乾燥には数時間を要し、機能はシンプルだ。もう1つのドラム式乾燥機は価格が高く、殺菌やダニ除去の機能が付いているものもある。胡氏は、どちらの乾燥機にも明らかな欠点があると指摘する。家庭用の小型乾燥機は出力が小さく乾燥が遅い上、機能が少ないため、共用サービスには適していない。一方のドラム式乾燥機は衣類が互いに接触するため、衣類が傷みやすいという。

ユーザーのニーズと従来品の欠点にフォーカスし、海豚干衣は衣類が直接触れあわず、速乾で衣類を傷めない吊り下げ式クローゼット型衣類乾燥機を開発した。衣類の素材や形状に応じ、温度を調節しながら乾燥、消毒、殺菌、ダニ除去、消臭ができる。ユーザーは微信(WeChat)のミニプログラムで2次元コードをスキャンするだけで使え、時間を指定した予約運転も可能だ。

さらに独自の空気循環システムと加熱システムを採用し、アルゴリズムと温度監視パーツによって乾燥と消毒の効率を高めた。高温で衣類を乾燥・殺菌する一般的な乾燥機とは異なり、紫外線とオゾンを使って消毒とダニ除去を行う。また、加熱しすぎによる衣類の損傷を避けるためにスマート制御システムを採用し、衣類の湿度、種類、ユーザーのニーズに応じてファンの回転速度と温度を自動的に調整することで、あらゆる素材の衣類を30分から1時間で乾燥および殺菌・消毒ができるようにした。

胡氏は「ユーザーのリピート率は80%以上だ。例えば学生が3000人を超える学校では2800人近くが2回目も使用し、リピート率がとても高かった。衣類の他に布団やぬいぐるみなどの乾燥・消毒に対するニーズも大きく、我々のクローゼット型衣類乾燥機はそのすべてに対応できる」と話した。

現在、すでに北京市、上海市、浙江省杭州市などに1000台近くの共用衣類乾燥機を設置した。製品は多くの学校に導入され、中国の有名マンションブランドとも提携している。昨年の売上高は700万元(約1億4000万円)。

今後は引き続き製品の出力を最適化し、乾燥時間の短縮を図ると共に、市場開拓に注力する方針だ。今年は中国で製品1万台の投入を計画している。

(翻訳・大谷晶洋)

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