大注目の中国ごみ分別収集市場 都会の金鉱に化けるか?(下)

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収集と中間・最終処分をつなぐごみの運搬関連分野

ごみの運搬は、ごみ処理に不可欠の過程である。北京では、ごみ収集から最終処分までに必要な費用のうち、1/4を運搬費用が占めていると言われている。この分野に参入している企業は、ソフトウェア系とハードウェア系に二分できる。

ソフトウェア系の企業

「好運(Haoyun)」は、内装工事やリフォームで出たごみの収集・運搬に特化したプラットフォームであり、運搬車両の配車は配車サービスDiDi(滴滴)のモデルを参考にしている。アルゴリズムに基づいて行われた配車やルート設計は、工事現場と運転手の需要と供給を効率よくマッチングさせている。

ごみ運搬分野の主な企業

ごみ運搬設備などハードウェア系の企業

ごみの運搬には専用車両が不可欠だが、現在この分野は多数の上場企業を含む老舗メーカーが独占している状態だ。そしてこれら老舗メーカーも、昨今のごみ分別ニーズを受けて新車両の開発を進めている。例えば「煙台海徳専用汽車(Yantai Haide Special Vehicle)」は、2018年から分別ごみに対応する収集運搬車や分別用ごみ箱の開発に着手した。このごみ箱は大型のごみ収集車が入れない狭い場所に設置するもので、種類の異なるごみを1箇所にまとめることができ、一般のごみ箱の4倍もの容量を誇る。また、収集運搬車両、スタッフ、ごみの量をリアルタイムで把握できるシステムの開発を行う企業もある。

変革を求められる従来の中間・最終処分過程

中間・最終処分分野の主な企業

大型化するごみ処理施設

ごみの最終処分方法は、焼却処理または埋却処理が一般的である。2016年現在、北京市内には28カ所の大型ごみ処理施設があり、上海には現在世界最大のごみ焼却施設が完成している。この分野では、スタートアップが活躍できる可能性はほぼ無いに等しい。

主流となる生ごみの現地処理

上海市が発表した「生ごみ処理計画(2016-2020)」には、現地処理・地域内処理・集中処理を組み合わせた生ごみ処理システムを徐々に確立する方針が明記されている。また、広州市が1443万元(約2億3000万円)を投じて市内に建設したワンストップ型生活ごみ減量化・処理センターが今年3月、操業を開始した。このような地域に根差したごみ処理施設は、基本的に地方自治体が自ら出資して建設するため、スタートアップにとって参入余地は少ない。ただし、処理施設の設備に関連する分野であれば商機はある。

例えば「浄梧科技(Jingwu)」はオランダのモデルを参考に、生ごみの現地処理設備を開発した。粉砕、乾燥、生分解という方法で、廃油をバイオ燃料に、生ごみを無臭・無菌化させて有機肥料に変えるというものだ。1日に1トンの生ごみ処理能力がある設備は中規模の飲食店に適している。また、現在山東省威海市と広西省の二か所で大規模の飲食店向け設備の試験運用を行っており、今後は上海にも設置を予定しているという。

こうした企業や自治体向け設備のほか、家庭向けの小型ごみ処理機もある。中国ではまだ一般的とは言えないが、家庭用の生ごみ処理機を製造する国内企業も増え始めている。

ごみ分別ロボットと処理技術の研究開発

中国国内でごみの分別ロボットを開発する企業はまだ少なく、「中城緑建(CCGC)」や「航天科技(CASC)」等、数えるほどしかない。現在多くの企業が進めているのは、ごみの収集や処理に必要な技術の研究開発である。

例えば「三態環境(TRI-FORM)」は、中小都市向けの生ごみ処理システムを開発しており、「東和環保(Donghe)」は廃油の蒸留再生処理、廃タイヤ・廃プラスチックの油化、医療廃棄物の溶融処理、都市生活ごみの焼却発電等の研究開発を行っている。

このほか、ごみ埋立地等の大型総合処理施設向けのサービスを行う企業もある。「経緯騰雲(Jingwei Tengyun)」は、埋立地から発生するガスを使った発電、温室効果ガス排出量取引、埋立地の生態系回復といった再生可能エネルギー関連業務を手掛けている。また、「玉禾田(EIT)」は生活ごみから顆粒燃料、飲食店の生ごみから有機肥料、廃油からバイオディーゼル燃料を作るリサイクル技術を開発している。

ごみの収集や分別にかかるコストは、今回のごみ分別収集政策によって、大きく削減できる可能性がある。これは業界全体で利益を拡大するチャンスであり、多くの新規参入も見込まれる。どのようなモデルが最も大きな価値を生み出すことになるのか、今後も注目していきたい。
(翻訳・桃紅柳緑)

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