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インドでは、依然として職場の性差別が深刻だ。世界銀行が2017年にインドの発展に関してまとめたリポートによると、インドの女性労働力参加率は131カ国中120位だった。
インドで女性向けソーシャル・プラットフォーム「Sheroes」を創設したSairee Chahal最高経営責任者(CEO)は、インドではインターネットの発展が雇用創出に貢献したものの、女性の社会参加の割合は依然低く、雇用率はわずか17%にとどまると指摘する。Chahal氏はこうした性差別の解消を目指してSheroesを立ち上げた。
2013年の開設当初は、企業との提携による女性向けの就職支援を行っていた。その後、インターネットユーザーの増加やソーシャルECの台頭に伴い、二~三級都市の女性がSNSで副収入を得るようになったことを受け、女性向けのソーシャル・プラットフォームへと立ち位置を変化させた。
Sheroesのコミュニティーは現在、62を数える。ユーザーはそれぞれのコミュニティーで写真をアップするなど自らの日常生活をシェアする。「Bazaar」と名付けたコミュニティーでは、同じコミュニティーのユーザーに私物を直接売ることも可能だ。Chahal氏は、このBazaarが今後の主な収益源になると見込んでいる。
女性がコミュニティーやグループに参加して人脈を広げることで、物を売ったり、自らのブランドを立ち上げたりする。Chahal氏は、インド版メルカリと言われる「Meesho」、主婦の在宅ビジネスを支援する「Glowroad」、ネットショップ開設を支援する「Shop101」といった国内の他のソーシャルECとの違いについて、Sheroesではユーザーがコミュニティーへの参加を通じてコネクションを構築できる点を挙げた。ユーザーがソーシャルネットワークの供給側となり、ソーシャルECはその需要側になるというものだ。
ソーシャル・プラットフォームに転向してからは、メインユーザーが立ち上げ当初のデリーやバンガロールといった一級都市の女性から、二~五級都市の小口客へと変化した。現在の登録ユーザー数は1500万人。うち7割が二~五級都市のユーザーで、月間ページビューは400万に上る。
Chahal氏は当初、中国のソーシャルEC「小紅書(RED)」のような女性向けソーシャル・プラットフォームを作りたいと考えていた。それを見込んで、就職サイト「Women restart」や健康アプリ「Maya」、子ども向け医療サービス「Babygogo」などを買収し、女性に向けたコンテンツの充実を図ってきた。
同社の従業員70人中、50人が技術職だ。CEOのChahal氏はインドの電子決済サービス「Paytm(ペイティーエム)」の子会社である決済専業銀行「Paytm Payment Bank」の取締役会メンバーでもある。
Sheroesは2015年にエンジェルラウンドで5000万ルピー(約7900万円)、2016年8月にシリーズAで1億2000万ルピー(約1億9000万円)を調達した。2018年9月にはシリーズBでの資金調達も完了している。
(翻訳・鈴木雪絵)
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