テンセント、大規模言語モデル開発状況を初公開 「MaaS」で業界特化型に重点

36Kr Japan | 最大級の中国テック・スタートアップ専門メディア

日本最大級の中国テック・スタートアップ専門メディア。日本経済新聞社とパートナーシップ提携。デジタル化で先行する中国の「今」から日本の未来を読み取ろう。

大企業注目記事

テンセント、大規模言語モデル開発状況を初公開 「MaaS」で業界特化型に重点

原文はこちら

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録

続きを読む

中国テック大手・テンセントのクラウド事業「テンセントクラウド(騰訊雲)」は19日、ビジネス用途に特化した大規模言語モデルの開発状況について発表した。MaaS(Model-as-a-Service)としてワンストップサービスを提供し、顧客企業が独自のモデルを構築する支援をしながら関連するアプリケーションも提供していくという。

汎用型大規模言語モデルが注目を浴びる昨今だが、テンセントが関連事業の進捗について発表するのは今回が初めてだ。発表会では、テンセントがAIと産業の融合に重点を置いていることや、各産業が抱える具体的な課題の解決を目指していることが明かされた。

汎用型モデルは法人顧客にとって専門知識も業界データも蓄積が足りず、適切性や精度が不十分という問題点がある。もし情報に誤りがあれば法的リスクにつながるため、企業は制御・追跡・修正が可能で十分なテストを経た大規模言語モデルを必要としている。

テンセントのクラウド・スマート産業グループ(CSIG)でシニア・エグゼクティブ・バイスプレジデント兼CEOを務める湯道生(Dowson Tong)氏は、企業が求めるのは個別の業界に特化したモデルであり、実用的なサービスを提供できるように自社の持つデータを使ってトレーニングやファインチューニングができるものだとの考えを示した。

発表会では金融・カルチャーツーリズム・政務・メディア・教育など10の業界向けのモデルと50以上のソリューションが発表された。中でもカルチャーツーリズム・金融・教育業界に特化したモデルはCSIGが重点的に手がけているものだ。例えばカルチャーツーリズム業界向けには、大規模言語モデルをベースとしたスマートカスタマーサービスを通じて、移動手段や観光の手配など詳細なスケジュールの計画や、オーダーメイド型のおすすめプランを提供できるようになっている。

テンセントクラウドはさらにMaaSサービスを打ち出している。モデルの事前トレーニングやファインチューニング、スマートアプリケーション開発などのソリューションを顧客に提供し、顧客は機械学習サービスプラットフォーム「Tencent Cloud TI Platform」内のモデルに自社のデータを追加して専用のモデルを構築できる。さらに自社の事業規模に応じてパラメーター数やモデルサービングの仕様を設定できるという。TI Platformは顧客企業に利用してもらうため、データのアノテーション、モデルのトレーニング・評価・テスト・デプロイなどを行なうツールチェーンも用意している。

セキュリティ面に関しては、プライベートクラウド構築や権限管理、データ暗号化などの方法を通じてデータおよび利用上の安全を守り、機密データの保護やコンプライアンスを確実にしている。

演算能力も大規模言語モデルのトレーニングや実際の運用に直接影響する要素だ。トレーニングやインファレンス(推論)は高い演算能力を必要とし、その安定性や性能はトレーニングの速度や効果性に直結する。テンセントクラウドはこの演算能力を提供することで顧客をサポートする。

今年4月にモデルトレーニング用の最新バージョンの「HCC(高性能計算クラスター)」もリリースしている。安定したコンピューティング、高速ネットワーク、専門的な運用保守サービスを提供するもので、これを利用すれば顧客はモデルの構築とアルゴリズムの最適化に専念できる。

テンセントクラウドは近く、よりAIコンピューティングに適したベクトルデータベースもリリースする予定だ。画像や音声、テキストなど非構造化データをより効率的に処理でき、検索ボリュームは10倍に上がる。

テンセントクラウドの業界特化型モデルはすでにテンセントのアプリにも活用されている。

ビデオ会議ツール「騰訊会議(Tencent Meeting)」には、スケジュール管理、会議サマリーの自動作成など、会議の全プロセスをサポートするアシスタントがまもなく搭載されるという。

スマートカスタマーサービス「騰訊企点客服(Tencent QiDian Customer Service)」では、業界特化型大規模言語モデルと顧客の具体的な事業内容に基づいて、チャットボットがより正確で詳細な回答を提供できるようになる。

ユーザー行動分析プラットフォーム「企点分析引擎」では、専用モデルが販売担当者に代わって正確なビジネス分析を行う。過去7日間の購入ページ閲覧人数の推移を尋ねれば詳細な回答が返ってくるため、販売担当者は複雑なソフトの操作方法を覚えたり、カンバンボード(タスク管理表)を作成したりする必要がなくなるという。

(翻訳・山下にか)

原文はこちら

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録

関連記事はこちら

関連キーワード

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録