オンライン時代の幕開けに従来のオフライン旅行社が生き残れるか

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7月11日、中国の大手オンライン旅行会社「携程旅行網(Ctrip)」の実店舗で会員向けキャンペーンが実施され、当日の取引額は約1億2千万元(約18億円)に上った。その一方で、同じく旅行会社の「衆信旅遊(UTour Group)」と「凱撒旅遊(Caissa Touristic)」の株価は5~7元(約75~105円)の間を推移し、大きく値を下げた。両社はかつて急激な成長を遂げ旅行業界で存在感を示していたが、ここにきて旅行会社業界は新旧交代の時代に入ったようだ。

衆信旅遊の2018年度財務報告を見ると、親会社株主に帰属する純利益は約2357万元(約3億5500万円)で、前年同期比89.87%と大幅に減少している。

一方、凯撒旅遊の経営状況はやや良好だが、楽観視できるものではない。同社の2018年度財務報告では、親会社株主に帰属する純利益は約1億9414万元(約29億3251万円)で、前年同期比12.03%減だった。

大手民間旅行会社2社の最終的な年度決算は、もはや高成長は望めず、純利益は底値を探っているという旅行会社業界の現状を示している。

衆信旅遊と凱撒旅遊の業績を消費市場の観点から見ると、2018年の海外旅行業を大いに支えた市場ボーナスや政治の安定、為替レート、ビザなどが外部からの干渉を受けたことが、売上高に直接的な影響をもたらし、またこの干渉は2019年以降も改善されていない。

最も典型的な例が中米関係の影響による訪米旅行の激減だ。ある機関のデータによると、2018年1月から5月までの中国からの訪米旅行者数は前年同期比で約2%減の約12万人だったが、、今年の同時期の訪米旅行者数は前年同期比で約3%減の約11万人だった。

世界経済が不安定な状態にあり、海外旅行全体の市場ムードも低迷している。さらに、衆信旅遊と凱撒旅遊の主力事業を見ると、さらに別の問題も露呈しつつある。

衆信旅遊と凱撒旅遊の海外卸売事業の売上高および粗利率はいずれも前年同期比で減少し、小売業の粗利率も前年同期を下回った。しかし全体の営業原価はいずれも上昇した。コスト削減の面で、既存の旅行会社は理想的な解決策を今も見出せていないのだ。

衆信旅遊の主力事業一覧
凱撒旅遊の主力事業一覧

効率の問題だけを見ると、従来の旅行業界というサプライチェーンにおける効率向上は常に大きな問題となってきた。卸売りと小売りが一体となった旅行会社は、店頭での集客やツアーグループの手配、現地での接客、商品購入などのプロセスと関わり、このような冗長で複雑なサプライチェーンにおける情報化のレベルは高いとはいえず、各プロセスのシステム同士のマッチング力が弱いため、今でも従来の旅行会社は人力による作業に多くを依存している。

未解決の問題を抱えた上、顧客の旅行スタイルにも新たな変化が生じているため、従来の旅行会社には適切な対応と意思決定が求められている。冒頭で述べた携程が会員向けキャンペーンで1億2千万元(約18億円)も売り上げたことは、研究に値するモデルである。また、携程のデータも既存の旅行会社に啓発を与えるものだ。携程のデータによれば、主力商品である家族旅行の内訳をみると、団体旅行が43%、個人旅行が32%、カスタマイズツアーが約25%を占めており、主要な顧客層は20代から40代だ。

個人旅行はオフラインの旅行会社にとってまだメインではなく、旅行先の細分化もまだ本格的に始まっていないとはいえ、顧客の旅行スタイルや旅先のアップグレードという必然的なトレンドに既存の旅行会社も対応せざるを得ず、サービスのバラエティや融通性、商品設計や旅行全体のサービスといった面で、より高い要求に応える必要がある。そのためにも既存の旅行社は旅行データや旅行後のフィードバックを基に旅行商品を改良し、顧客のニーズを満たす商品の開発により均質化を解決し、ブランドの差別化を図ることによって、競争に勝つための道を切り開かなければならない。
(翻訳・虎野)

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