ファーウェイ、米制裁下もスマホ事業復活へ、中国市場でアップルからシェア奪還

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米政府の制裁で苦境に立たされた中国通信機器大手のファーウェイ(華為技術)が、スマートフォン事業でかつての勢いを取り戻しつつある。8月29日に発表した最新モデル「Mate 60」シリーズは好調な売れ行きが続き、3年にわたって低迷していたスマホ事業復活の起爆剤となった。中国のスマホ市場ではまさに今、勢力図が塗り替えられようとしている。

中国の調査会社BCIによると、「Mate 60 Pro」がリリースされて以降、中国市場でのファーウェイのシェアは、第35週(8/28~9/3)の12.7%から第38週(9/18~9/24)には18.1%へと拡大し、週間販売台数はアップルに次いで多い92万2000台となった。好調な売れ行きを受けて、ファーウェイは出荷目標を絶えず引き上げている。サプライチェーンサイドの情報によると、ファーウェイは2024年のスマホ出荷目標を、年初の3000万台から6000万~7000万台に上方修正した。

中国証券大手・国泰君安(Guotai Junan Securities)のアナリストは、ハイエンド機のMateシリーズに続いて、ミドルレンジやローエンドの新製品も発表される見通しで、全ての価格帯がそろえばファーウェイのスマホ事業が完全復活を遂げると予測する。

この復活劇が実際に業績として表れるのは2024年に入ってからになると、関係者は語る。今年、ファーウェイのスマホ販売台数は3000万台ほどになる見込みだが、サプライチェーンが問題なく機能すれば、24年の販売台数は約6000万台に膨れ上がるとみられる。もし目標通りに販売台数が倍増すれば、中国市場でシェア1位に返り咲くことができる。ちなみに、調査会社Omdiaのデータでは、22年の出荷台数は2800万台で、世界シェアはわずか2%、ランキングではトップ5圏外だった。

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ただ、かつての栄光を取り戻そうとするファーウェイの前には、サプライチェーンや海外市場の不確実性が壁となって立ちはだかる。調査会社IDCによると、ファーウェイのスマホ出荷台数が2億4000万台のピークを記録した2019年には、その半数近くを海外市場が占めていた。米国の厳しい制裁にさらされている今、短期間のうちに海外市場を取り戻すのは困難だろう。さらに、世界のスマホ市場はすでに頭打ちとなっているため、上位に食い込むには他社からシェアを奪うしかない。

市場調査会社Counterpoint社によると、中国国内のスマホ市場でファーウェイのシェアがピークに達したのは2020年4~6月期で、46%のシェアを獲得した。以下はOPPOとvivoがそれぞれ16%、シャオミが10%、アップルが8%、その他が4%だった。

ファーウェイが制裁に苦しんだここ2年ほどは、同社から分離独立した低価格ブランド「Honor(栄耀)」がシェアの一部を引き継ぎ、ハイエンド分野のシェアはアップルとシャオミが奪った。OPPOとvivoのシェアはほとんど変化していない。IDCによると、2022年の中国スマホ市場のシェアはvivo18.6%、Honor18.1%、OPPO16.8%、アップル16.8%、シャオミ13.7%だった。

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ファーウェイが勢いを盛り返せば、まずアップルが打撃を被り、次にユーザー層がファーウェイと大きく重なるHonorが影響を受けるだろう。前述の業界関係者によると、ファーウェイの2024年の戦略は恐らくアップルを意識したものとなり、折りたたみスマホや超高級スマホを投入して、アップルからハイエンド市場のシェア奪還を目指すとみられる。

海外市場での事業展開の行方が不確実ななか、ファーウェイは中国市場を主戦場として、失った市場シェアを全て取り戻すだろう。そうなれば、もともと激戦区だったスマホ市場の競争が一段と激しさを増すのは間違いない。

(翻訳・畠中裕子)

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