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中国IT大手バイドゥ(百度)と自動車大手の吉利汽車(Geely Automobile)が共同で手掛けるスマートカーブランド「極越(JIYUE)」が10月27日、第1弾モデル「極越01(JIYUE 01)」を発表した。「01Max」と「01Max Performance」の2つのグレードがあり、販売価格は24万9900元(約500万円)から33万9900元(約680万円)。
インターネット界の巨人バイドゥは2021年3月、吉利汽車と合弁で「集度汽車(Jidu Auto)」を立ち上げ、EV開発に乗り出した。株式はバイドゥが55%、吉利汽車が45%を保有していた。今年8月には、自動車製造に向けて「杭州極与越汽車科技」(以下、極越汽車)を立ち上げ、ブランド名を極越とした。
バイドゥが心血を注いだ極越01は、これまでの自動化技術を受け継ぎ、自動運転とインタラクティブな体験に重点を置いて開発された。
まずハードの面では、どちらのグレードにも米半導体のクアルコム(Qualcomm)の車載用チップ「SA8295」とNVIDIAのSoC(System On a Chip)「Orin」を搭載、この組み合わせで演算能力は508TOPS(160兆回/秒)になる。またテスラと同様にLiDARを排除した自動運転システムを採用し、高解像度カメラ11台(うち7つは業界トップレベルの800万画素)と超音波レーダー12台、ミリ波レーダー5台、合わせて28台を搭載する。
極越汽車ではこのシステムをもとに「BEV+Transformer」という「純視覚」アルゴリズムのソリューションを開発し、視覚占用ネットワーク「Occupancy Network」技術も発表している。
BEV+TransformerとOccupancy Networkを組み合わせることで、極越は高精細地図に頼ることなく、市街地での高度自動運転機能を実現する。
極越汽車の自動運転システムは2点間の移動を支援するもので、次のような機能がある。
まず、高速道路や高架道路での車線変更、インターチェンジの出入り、障害物回避などの機能がある。市街地の道路では、横断歩道や信号を認識し、歩行者優先、交差点の左折(日本での右折に相当)、軽車両との衝突回避などができる。そして百度の自動駐車システム「アポロ・バレーパーキング(AVP)」も搭載し、屋内・屋外いずれの駐車スペースであっても最大2キロメートル離れた場所から自動駐車機能を利用できる。
こうしたシステムは理想汽車(Li Auto)が無料で提供しているのとは異なり、利用には蔚来汽車(NIO)やテスラのようにサブスクリプション契約する必要がある。公式発表によると、極越01の高度スマート運転システム「ROBO Drive Max」は、月額980元(約2万円)で定期利用するか、自動車購入時に4万9900元(約100万円)で買い切り版を購入する必要がある。新規の車両購入ユーザーに対しては期間限定の優待があり、6カ月間無料で利用できる。
他社と比べると、テスラの完全自動運転ソフト「FSD」とほぼ同額で、NIOの月額380元(約8千円)よりは高い。
極越はバイドゥによる自動運転技術のほか、吉利汽車のEV用プラットフォーム「浩瀚SEA」を利用して開発されている。車体サイズは長さ4853mm、幅1990mm、高さ1611mm、ホイールベースは3000mmで、十分な車内空間を確保した。後部座席を倒すと2161リットルの空間となり、小型のキャリーケースを29個積むことができる。
極越01Maxはシングルモーター搭載、バッテリーは71.4kWhと100kWhの2種類から選ぶことができ、CLTC基準の航続距離はそれぞれ550キロメートルと720キロメートルだ。
バイドゥが出資するプロジェクトとして、極越汽車の使命ははっきりしている。バイドゥが10年以上取り組んできた自動運転技術を量産化することだ。自動運転技術分野で名をあげて法人向け事業を推し進め、勢いをつけてスマートEV業界に乗り込み、数兆元(数十〜百数十兆円)ともされるマーケットでチャンスを勝ち取る。
極越汽車の夏一平CEOによると、スマート運転システムROBO Drive Maxは、今年中に上海、深圳、杭州の3都市の市街区域で開放され、2024年には全国200以上の都市に順次拡大するという。
(翻訳・36Kr Japan編集部)
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