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Airbnbは9月中旬、上海市で開催した第3四半期メディア交流会で「2019年ミレニアル世代旅行者インサイトレポート」を発表した。
同レポートは第一財経商業データセンターとAirbnbが共同で作成したもので、両社の調査研究データのほか、易観(Analysis)、デロイト、ゴールドマンサックス、国家統計局などのデータも含まれている。
レポートによると、昨年の中国人の旅行回数は国内旅行で平均4回、海外旅行で100人あたり平均10.7回となっている。また、平均可処分所得は2013年の2万6000元(約39万円)から昨年には5万1000元(約76万5000円)に上昇し、1人当たりの教育・娯楽支出額は1400元(約2万1000円)から2200元(約3万3000円)に増加した。
今年の旅行者総数はすでに延べ30億8000万人に達しており、中秋節に旅行した人の居住地上位5都市は北京・上海・広州・深圳および杭州で、国内人気旅行ルートの上位5位は、上海ー南京、広州ー珠海、杭州ー南京、北京ー天津、北京ー秦皇島だった。また、子供連れの家族は、国内旅行では上海、広州、北京の民泊を利用することが最も多く、中国大陸以外の旅行先で最も予約の多かった都市は、1位大阪、2位京都で、香港、台湾、バンコク、チェンマイ(タイ)、サバ州(マレーシア)、東京、クアラルンプールおよびメルボルンがトップ10にランクインした。
中国で旅行市場の主力となっているのはミレニアル世代であり、オンライン予約を行う旅行者の8割近くを占めている。Airbnbによれば、ミレニアル世代の旅行者には幾つかの特徴があるという。まずネット上で話題の都市やSNS映えスポット、TikTokやインスタグラムで人気の民泊物件を好んで訪れる傾向がある。さらに出張スケジュールの前後に自身の休暇をはさむ若者が増えているほか、ミレニアル世代の58%が以前に訪れた旅行先を好んで再訪しているという。またノープランで一人旅を楽しむ若者も多く、Airbnbの顧客の半数程度が旅行のわずか3日前あるいはもっと直前になって宿泊先の予約を行っている。このほか、子供連れでの旅行が一つの流行ともなっている。
中国の調査会社「Questmobile」の今年1~8月のデータによれば、Airbnbアプリの中国本土での月間アクティブユーザー数(MAU)は引き続き高い水準を維持しており、国内の短期滞在型民泊プラットフォームでトップの座をキープしている。
Airbnbの共同創業者兼CSO(最高戦略責任者)のネイサン・ブレチャーチャイク氏は一昨年、「中国は2020年に同社最大の顧客国となる」と語った。また昨年3月にハイクオリティな宿泊先を提供する新サービス「Airbnb Plus」が中国でローンチされたが、現時点ですでに国内24都市でPlusの物件を抱え、物件数は前年同期比で9倍に増加しているとのことだ。
Airbnb中国でデータサイエンスチームの責任者を務める朱涛氏によれば、同社のデータ分析能力が中国におけるサービスの最適化と現地化に貢献しているという。「ミレニアル世代は週末に近場への旅行によく出かけるため『48時間で旅を満喫』などのイベントを実施している。また新しい土地に移住した若者は、仕事を探しながら短期の賃貸契約を行う傾向があるため、こうした需要に応じた物件も準備している」と話している。
(翻訳・神部明果)
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