ソーシャルECの拼多多が強気の転換社債を発行、資金調達規模は最大1100億円

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中国大手ECプラットフォーム「拼多多(Pinduoduo)」は先日、額面総額8億7500万ドル(約940億円)、償還期限は2024年(4年債)の転換社債(CB、転換社債型新株予約権付社債)を発行したと発表した。さらに社債の初期引受人は13日以内に1億2500万ドル(約140億円)を追加引受でき、今回の合計発行規模は計10億ドル(約1100億円)に上る模様だ。

今回は直近1年半で4度目の大規模調達となるが、注目すべきは、拼多多が今回発行した転換社債においては、発行会社によるソフト・コール条項(繰上げ償還条項)を設定している点だ。公開情報によれば、中国概念株(海外で上場しながら主な収益源は国内事業にある中国企業の株)による転換社債発行案件で、今回のように同条項を付帯するケースは初であるという。同条項に基づき、2022年10月1日以降、拼多多の株式の終値が、30連続取引日のうち最低20取引日にわたり同期間の転換価額の130%以上であった場合、拼多多は社債の額面金額の103%(当期に計上する年度利息を含む)の償還価格で、未転換社債の全部または一部を買い戻すことができる。

これは、上述の条件下において拼多多の株価の上げ幅が130%を超えた際、出資者が株価上昇による利益を得るには、手持ちの転換社債を株式に転換する必要があることを意味する。

転換社債はこれまで、成長型テック企業固有の資金調達方式と考えられてきた。「攻めと守りの両立」ともいえるこの手段においては、株価上昇時には利益が得られ、たとえ値下がりしても社債満期時の収益に影響しない。このため企業にとっては、自社の成長性に対する市場からの評価を意味するものともなる。とはいえ「いかなる状況でも利益が確保できる」このシステムには、各種の不確定リスクもつきまとう。

投資家にとっては、条項の所定価格で償還するこの方式により、自身の収益の上限が限定的なものとなってしまい、機会費用の損失になり得る。さらに、もし株価の変動が頻繁に起これば、債券満期時の収益は確保できても、保有リスクと時間的コストはいずれも高まってしまう。

一方で、拼多多が今回追加した「発行者による償還」条項はきわめて強気の施策であるように映る。これは恐らく、同社の第2四半期の業績が好調だった点に加え、ライバルであるEC大手のアリババ、京東(JD.com)への対抗するための足場固めの一環なのだろう。

拼多多の第2四半期の業績に注目すると、売上高は前年同期比169%増、前期比60%増の72億9000万元(約1100億円)、またプラットフォームの年間アクティブユーザーは前年同期比41%増の4億8300万人だった。注目すべきは同社の損失額が縮小しつつある点で、英バークレイズ銀行の予測によれば、来年には黒字化を達成するとみられる。

アリババや京東の地方市場に向けた攻勢は、拼多多の市場シェアに不確定性をもたらすと考えられる。アリババは今年3月に共同購入サービス「聚劃算(Juhuasuan)」のリニューアルを実施した。公式データによれば、同サービスは「18日間で3億人の新規ユーザー」の獲得に成功し、現時点で地方都市市場での普及率は40%、また70%の新規ユーザーが地方都市の在住者となっている。

京東も今年に入り、拼多多型の共同購入モデルの構築を模索し続けており、専用アプリ「京東拼購」を「京喜」に名称変更し、全面リニューアルを実施した。公式データによれば、「618」大セール期間中、旧「京東拼購」における三~六級都市在住のユーザーによる発注数は前年同期比で106%増となった。また今年7月には、京東の共同購入サービスがWeChat(微信)の「購物(ショッピング)」メニュー内の最上位階層に実装されるとの情報も報じられた。同じくWeChatエコシステムに属する拼多多は、より厳しい競争環境にさらされることになる。

公開データによると、拼多多の大規模な資金調達は昨年4月、7月および今年2月に3回にわたり実施されており、合計調達額は58億7000万ドル(約6300億円)に上っている。今回の転換社債の発行により得た資金は、主にプラットフォームの研究開発や、主力商品である農産品関連の新たなインフラ構築に充てられる。このほか、創業者の黄錚氏は「新物流」技術プラットフォームの開発も進めているとも語っており、資金投入が必要な分野はまだ多い。
(翻訳・神部明果)

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