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中国の高級アイスクリームブランド「鍾薛高(Chicecream)」は、プレミアム感と値段の高さから、かつては「アイス界のエルメス」と呼ばれた。しかし、このところは深刻な経営危機に陥っており、従業員のリストラや賃金未払い、生産の停滞だけでなく、サプライヤーや提携先から度々訴訟を起こされていることが報じられている。
鍾薛高は、ここ最近の中国を代表する「新消費」ブランドのひとつとして知られる。従来からあるアイスブランドとの真っ向勝負を避けるため、当初はオンライン販売に重点を置いていたが、ブランドの知名度拡大とともにオフラインでの販路拡大に舵を切る。
主要都市に出店した店舗だけでなく、地方の小都市の小売店にも商品が並び始めると、値段を確認せずに商品を手に取り、会計の際に高額商品だったことに驚く消費者が続出する。鍾薛高は「雪糕刺客(アイス界の殺し屋)」と呼ばれるようになり、2023年には大きな議論を巻き起こした。さらに、「水を一滴も加えていない」と言いながら実際には水が入っているなど、虚偽広告の疑いで行政処分を受けていた。
苦境に陥った鍾薛高は、手頃な価格の新商品「Sa’Saa」を発売したり、コラボ商品で知名度向上を図るなど、事業戦略の調整に乗り出したが、ブランドの復権には至らなかったようだ。
(36Kr Japan編集部)
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