中国系越境EC「Club Factory」が110億円を調達、インド市場で勢力拡大へ

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中国系越境EC「Club Factory」が110億円を調達、インド市場で勢力拡大へ

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越境ECサイトの「Club Factory」はこのほど、今年初めにシリーズDで1億ドル(約110億円)を調達したことを明らかにした。リード・インベスターは「啓明創投(QIMING VENTURE PERTNERS)」など国内外のファンドが務め、大株主のベルテルスマン・アジア・インベストメンツ(BAI)や「峰瑞基金(FREES FUND)」も追加出資を行った。

Club Factoryは2016年10月に立ち上げられた海外向けB2Cサイトだ。中国の規格外商品、ローエンドやミドルレンジの商品を取り扱う。中国にはサプライヤーが豊富という強みがあり、海外向けECは海外製品を販売するECに引けを取らない市場となっている。中国EC市場に関するリポートによると、2017年上半期、中国の越境ECでは輸出が8割を超え、取引額は前年同期比31.5%増の2億7500万元(約41億2500万円)に上った。「メイド・イン・チャイナ」の商品は一般的にコストパフォーマンスに優れ、アイテム数が多く、海外の人々のさまざまなニーズに対応することが可能だ。例えば、欧米市場に特化した海外向けサイト「Wish」の場合、中国製とメキシコ製の商品が全体の8割を占める。

Club Factoryの主な市場は東南アジアや中東などの開発途上地域だ。中小メーカーや卸売業者から商品を調達し、価格設定、カスタマーサービス、消費者と商品のマッチング、カスタマーサービス、海外配送などのサービスを提供する。商品は事前に準備するのではなく、ユーザーからの発注を受けて国内のサプライヤーが倉庫に出荷し、Club Factoryが検品とパッキング、海外への発送を行う。海外では現地の物流業者に配送業務を委託する方式を採用している。

また、サプライヤー管理システムに加え、消費者と商品をマッチングする人工智能(AI)ベースのアルゴリズムを独自に開発している。商品選定の際は、ビッグデータを分析して海外ユーザーの好みを把握し、大量のアイテムの中からユーザーが最も気に入りそうな商品を探し出す。サプライヤーの選別は資質や生産能力、これまでの経歴などに基づいて行う。消費者と商品のマッチングに関しては、ユーザーの好みに応じたさまざまな角度からのおすすめ商品をまとめ、ユーザーごとに画面に表示できるようになっており、正確な情報によるマッチングでコンバージョン率(成約率)を高めている。

Club Factoryはすでにサプライヤーを数十万社、アイテム数を数千万に調整している。サービス対象地域は26カ国・地域に広がり、うち10カ国以上でECアプリランキングの上位5位に入っている。最大の市場はインドで、アプリ市場データと分析ツールを提供する米アップアニーによると、インドのECアプリ市場では月間アクティブユーザー数(MAU)で米Amazon、インドのFlipkartと肩を並べ、上位3位に食い込んでいる。

創業者の李嘉倫氏は、Club Factoryにとって今年最大の変化はECサイトの現地化だったと明かす。現地の業者もサプライヤーとして取り込んでおり、インドでは現地業者による販売が半年弱で10倍以上増加したと説明した。

現地の競合他社に対抗するため、Club Factoryは「Hyper-Local」プランを策定。現地のビジネスエコシステムに属する業者を加入させることで、現地化をさらに進めた。例えば、売り手からみて他のECサイトと大きく異なるのは、現地業者に「手数料0%」を適用している点だ。さらにClub Factoryは売り手と買い手の双方がメッセージアプリを使ってやり取りすることを認めており、インドでECサイトが売り手と買い手の情報を独占している状況を改め、中小の販売業者が自身のユーザーをよりしっかりと管理できるようにした。

調達した資金はインド市場のさらなる開拓、インドの民族衣装のサリーなど取扱商品の拡充のほか、技術力強化やパートナー企業に対するデータ開放などに充てられる予定。
(翻訳・池田晃子)

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