セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け
メールマガジンに登録
中国発の格安越境電子商取引(EC)プラットフォーム「Temu」が7月29日、タイでサービスを開始した。マレーシアとフィリピンに進出してから約1年、東南アジア3カ国目への進出となる。
Temuは2022年9月に米国でサービスを開始して以降、猛烈な勢いで市場を拡大し、24年7月までに70カ国・地域以上に進出している。24年1~6月の売上高は、23年通期を上回る約200億ドル(約2兆9000億円)に上った。
しかし現在のところ、東南アジア市場では他の市場で成功した戦略が効果を発揮していないようだ。シンガポールの調査会社Momentum Worksによると、Temuの23年の東南アジアでの流通取引総額(GMV)は1億ドル(約150億円)で、バイトダンスが運営する動画投稿アプリTikTokのEC機能「TikTok Shop」の163億ドル(約2兆4000億円)には遠く及ばなかった。
東南アジア市場の開拓が遅れている理由は複数ある。東南アジア諸国の1人あたりの消費水準は低く、低価格商品の需要は高い。Temuが最も得意とするところのはずだが、すでに先発のEC大手が激しく競い合っている。Momentum Worksによると、23年のタイEC市場のシェアは、地元東南アジアのShopeeとLazadaがそれぞれ49%と30%、TikTok Shopが21%となっており、後発のTemuがシェアを獲得するのは極めて難しい。この3社と比べ、Temuが価格面で優位に立っているわけでもない。また、東南アジア各国の経済レベルや物流インフラの整備状況がそれぞれ異なることも、運営の難易度を高める理由となっている。
*1ドル=約146円で計算しています。
(36Kr Japan編集部)
セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け
メールマガジンに登録