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中国でiPhone11シリーズの売れ行きが好調だ。米証券会社Wedbushのアップル専門アナリストDan Ives氏は、最近発表したレポートの中で、iPhoneは中国と米国の消費者の間で根強い人気があり、iPhone11の売れ行きは総じて「予想を上回る」と評価している。シリーズの中で最も廉価なiPhone11は昨年発売のiPhone XRと比べて50ドル(約5400円)安いことも人気の要因となっている。次期会計年度のiPhoneの販売台数は約1億8500万台になると、Wedbushは予測する。
iPhone11と11 Proの実際の販売台数は、アップルが本日10月30日に発表する第4四半期(7~9月期)決算で初めて明かされる予定だ。ただし、1年の中で最も売上が高い時期は10~12月期であるため、今回発表される業績だけでiPhone11シリーズの評価を決めるのは難しい。
次期iPhoneについて、前出のDan Ives氏は、次世代通信規格「5G」に対応し、背面3Dセンシングシステムが実装される4つのフラッグシップモデルが2020年に発売されると予測している。
同じくアップル専門のアナリストとして知られる天風国際証券(TFI証券)のミンチー・クオ(郭明祺)氏は次期iPhoneについて、5Gに対応し有機EL(OLED)ディスプレイ搭載の3モデルが2020年秋に発売されると予測している。外観デザインも刷新され、iPhone4に近いものになると同氏は予想するが、この点はアナリストの間で意見が分かれている。
2019年は「5G元年」と呼ばれ、サムスン、ファーウェイ、シャオミ(小米科技)等が5Gスマホを発売したが、iPhoneの5Gモデルの登場は2020年になりそうだ。主要メディアやアナリストは、アップルの出遅れについて、5G対応チップを製造する米半導体大手のクアルコムとの訴訟が長引いてしまい、クアルコム製のチップが使えなかったこと、また、インテルがアップルの求める品質のチップを作れなかったことが原因だと見ている。
もちろん、アップルはそこまで焦ってはいないという見方もある。これまでもアップルは他社に先んじて最新の通信規格に対応してきたわけではない。
アップルが焦っていないと思われる理由は、新たな通信規格やそれに対応する新型スマホは、往々にして何らかの問題が見つかるからである。アップルは「技術が成熟してから使用する」という姿勢を貫いてきた。実際、現在発売されている5Gスマホは、端末料金が高すぎるという最大の問題を解決できていない。
アップルの5G計画に対するウォール街の反応は様々である。米調査会社GartnerのアナリストMark Hung氏は、アップルが圧倒的な力を誇ったかつての時代であれば、1年の遅れは大きな問題ではなかったが、5Gに関しては、この1年の差が大きな影響を及ぼし得ると見ている。
一方、米ビジネス誌『FORTUNE』は、2019年時点では5Gのサービスを受けられる場所は限られており、広い範囲で本格的に使用できるのは2020年以降であるため、アップルが2020年に5G対応スマホを発売するのは「賢い選択だ」と評価する。
アップルの5G戦略は吉と出るか凶と出るか。その結論は来年に持ち越されることになる。
カバー画像:visualhunt
(翻訳・桃紅柳緑)
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