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重量物を扱う産業用ロボットを開発する「南京線控機器人科技(CablebotX)」(以下、線控科技)がこのほど、プレシリーズAで数千万元(数億円超)を調達した。雲時資本(Seas Capital)が出資を主導し、既存株主の清研天晟も追加出資した。資金は、さまざまなシーンに対応するワイヤ制御ロボット技術の実用化やチーム強化に用いられるという。
線控科技は2023年に江蘇省南京市で設立され、大型の対象物を広い作業現場で扱う産業用ロボットの開発に注力している。創業者の楊海博士は、フランスを代表するロボット工学の教授に師事し、欧州トップクラスの研究機関Tecnaliaでロボットの研究に10年余り打ち込んだ。幹部らも産業オートメーション分野のトップ企業で設計開発や製造、経営管理に10年以上携わった経歴を持つ。
同社はすでに国内初の500Kgシリーズのワイヤ制御ロボットを東南大学に納入したほか、世界初となる可搬重量3トンの産業用ワイヤ制御ロボットが1200平方メートルの作業現場向けに実用化され、造船業や鉄鋼業などの複数のプロジェクトで契約や納入が進んでいる。
ワイヤ制御ロボットは、制御性や可搬性能、コスト、機動性などの点で従来の産業用ロボットより優れた全く新しい高可搬ロボットだ。作業可能な範囲は1000平方メートルを超え、最大20トンの負荷に耐えることができる。こうした特性により、運搬や積載、塗装、検査、研磨、溶接など複雑なシーンに対応でき、拡張性にも優れている。
とくに鉄鋼業や鉄道、造船、航空宇宙、石油化学、風力発電設備などの重工業分野での活用が見込まれており、広い作業現場で大型の重量物を扱う際の効率の低さや安全面のリスク、コスト高、操作精度といった課題を解決すると期待されている。
楊海博士は「従来のロボットソリューションの多くはテンポの速い大量生産の現場に焦点を絞り、狭いスペースでの作業を想定して設計されている。このため、広い作業スペースで重量物を扱い、操作に高い機動性が求められる造船業や鉄鋼業、航空宇宙産業などには適しておらず、無理に導入しても現場の複雑さが増し、コストを押し上げる結果にしかならない」と語る。
線控科技のワイヤ制御ロボットは、大きな対象物を扱う広い作業現場にも迅速に導入でき、必要に応じて自動制御と手動制御を切り替えて効率的に運用できる。正確な作業と姿勢制御を可能にする6自由度で、最大数十トンの負荷に耐えられる。このほど発表した商用プランでは、従来のロボットソリューションの5倍以上となる可搬重量3トンを実現した。また、構造がシンプルで設置にかかる時間が短いため、導入企業は操業を停止する必要がなく、設置にかかる費用や時間の節約につながる。
2025年は、納入先で検証されたプラットフォーム型ロボットを同様の作業現場向けに販売し、より多くの業界や産業シーンでの実用化を進めていくという。
*1元=約22円で計算しています。
(翻訳・畠中裕子)
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