耳鼻咽喉科用の高額消耗品開発を手掛ける「啓灝医療」、プレシリーズAで数億円を調達

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耳鼻咽喉科用の高額消耗品開発を手掛ける「啓灝医療」、プレシリーズAで数億円を調達

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耳鼻咽喉科用の医療機器・消耗品開発メーカー「啓灝医療(BREATH MEDICAL)」がプレシリーズAで 「同潤科投(TORAISE S&T INVESTMENT)」から数千万元(数億円)を調達した。

中国では近年、大気汚染が日増しに深刻化しており、人々の健康に甚大な影響を与えている。また中国人のQOL(クオリティ・オブ・ライフ)に対する要求が高まり続けるのに伴い、中国政府は民間資本の医療サービス業への参入を奨励しており、耳鼻咽喉科関連の医療市場も急速に成長している。「中研普華(ZERO POWER INTELIGENCE GROUP)」傘下の中国産業研究院の報告書によると、耳鼻咽喉科専門の医療機関数は、2015年の89カ所から2017年には104カ所となった。金融データサービス企業「万徳信息技術(Wind Information)」のデータによると、昨年までの中国の耳鼻咽喉科専門医療機関における総売上高は47億元(約730億円)、入院手術患者数は延べ17万人に上っている。

図版提供:万徳信息技術

啓灝医療は、2017年に設立され、耳鼻咽喉科に特化した手術用機器および消耗品の自社開発を行っている企業である。今回調達した資金は、同社が手がける主力製品「低温プラズマ高周波手術システム」と「副鼻腔用薬剤溶出性ステント」の臨床試験および新製品の開発、製造、検査に充てられる。

低温プラズマ高周波アブレーション(電気焼灼)機器は視界が明瞭なため、傷跡や出血が少なくて済むという長所がある。また、切開や止血、アブレーション、洗浄、吸引などの機能を兼ね備えており、操作がしやすいため手術時間が短縮でき、患者の苦痛軽減と良好な治療効果が得られる。また副鼻腔用薬剤溶出性ステントは、主に慢性鼻炎患者の治療に利用される。従来の内視鏡下副鼻腔手術では、術後の出血や癒着、ポリープなどの合併症が起こりやすく、手術の効果に深刻な影響を及ぼしていた。

啓灝医療はすでに、特許10件と実用新案7件の申請を受理されている。また、同社は現在、北京協和医院や北京解放軍総医院、上海新華医院などの有名医院と協力し、臨床応用を実施している。

啓灝医療の執行役員兼ゼネラルマネージャーの逢永剛氏は、北京師範大学の経営哲学博士課程修了後、独医療製品関連会社「ビー・ブラウン(B. BRAUN)」で7年、米「ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)」で4年の勤務経験を持つほか、「上海凱利泰(Shanghai Kinetic Medical)」で「方潤医療器械科技(Forerunner Medical)」の製品の臨床開発・販売の全国責任者を5年間務めた。このように、同社の中心メンバーは研究開発と販売の面で豊富な経験を持つ。

中国の国務院弁公庁は今年7月末、医療用高額消耗品の購入価格引き下げを目的とした「高額医療用消耗品の管理に関する改革案」を発表し、医薬品の種類ごとの集中調達、医療用消耗品の価格割り増しの撤廃など厳格な規定を通知した。各大規模医療機関では、この政策的改革により、輸入品から国産品への切り替えが加速する見通し。当局が対象医薬品の調達数量を公表した上で製薬メーカー各社の公開入札によって採用候補を決める制度「帯量採購」および入札による新たな市場競争という局面に直面しても、啓灝医療のような、開発製品の機能や効能が優れた企業の立ち位置は明確だ。製品のラインナップが豊富な企業は、総合的なソリューションを提供することにより競争入札で優位に立てるばかりか、輸入品からの切り替えにおいても品質面での強みがあるからだ。

眼科や耳鼻咽喉科の診療は、医療機器への依存度が高い。とはいえ、医療機器市場では現在のところ海外企業がシェアの大部分を占めており、中国の地級市(省級と県級の中間に位置する二級行政単位の一つ)の医療機関は医療機器への投入資金が不足しているほか、国産の耳鼻咽喉科関連製品への取り組みレベルも非常に低いことに注目すべきだろう。耳鼻咽喉科の高額消耗品を手がける企業には、「邁端医療(Mindray)」、「西山科技(XISHAN SCI & TECH)」、「慧潤康(北京)科貿(HURCN(Beijing)Technology&Trade)」などがある。
(翻訳・田村広子)

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