「高額AIより実用性」中国BestRobtic、低価格プール清掃ロボットで米市場攻略

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低価格・高性能のプール用清掃ロボットで急速に頭角を現す中国スタートアップ「思傲拓科技(BestRobtic)」がこのほど、シリーズAの追加ラウンドで食品卸大手の捷栄国際(TsitWing International)などから7000万元(約14億円)を調達した。資金は製品製造と在庫準備に充てられる。

近年、世界のプール清掃ロボット市場の拡大が続いている。中国の調査会社・共研産業研究院によると、2029年には市場規模が21億6000万ドル(約3200億円)に達し、年平均成長率(CAGR)は10.9%となる見通しだという。

とくに、米国にはプライベートプールが世界最多の1000万カ所余りある上、オーナーが清掃や修繕などに支払う費用は年間平均1432ドル(約21万円)に上る。しかも、米国では人件費の高騰や人手不足が深刻化しているため、プール清掃ロボットの需要が急速に増加している。

高コスパの裏に技術力

思傲拓科技は2021年に広東省深圳市で設立され、プール清掃ロボットなど水中清掃ロボットの開発・生産に取り組む。独自の知的財産権17件を保有し、米アマゾンや中国系越境ECプラットフォーム「Temu(テム)」などを通じ、主に米国を中心とする海外市場に製品を販売している。

創業者の鄧卓明氏によると、米国の消費者は価格と実用性を重視しており、大半が500ドル(約7万4000円)以下のプール清掃ロボットを購入しているという。こうした市場動向を踏まえ、思傲拓科技は価格競争力を強化し、エントリーモデルの「SAT 1X」シリーズを199ドル(約2万9000円)、ハイエンドモデルの「SAT 2X」を399ドル(約5万9000円)で打ち出した。

コスト削減と同時に、技術革新による製品性能の向上にも注力する。業界ではこれまで、電池容量を増やすというコストのかかる方法でロボットの稼働時間を延ばしてきたが、同社はモーターや伝動システムを改良し、遊星歯車の寿命を業界平均の500時間から2000時間に延ばすことで、より長時間の稼働を可能にした。また、女性ユーザーが扱うことを想定し、サイズを競合製品の約3分の2にした。

コストパフォーマンスの高さが評価され、思傲拓科技は市場での存在感を急速に高めている。2024年の出荷台数は10万台近くに上り、売上高は1億元(約20億円)を突破した。25年1〜3月期はすでに出荷台数が10万台を超え、黒字を計上する見込みだという。

さらに2024年には、イスラエルのプール清掃ロボット大手Maytronicsとも戦略提携を結んで、共同ブランド「Niya」を打ち出した。思傲拓科技はモーターやセンサーの生産ラインを提供しており、Maytronicsのチャネルを活用した販売を開始した。

創業者の鄧氏は、プール清掃ロボットで大事なのは「きれいに掃除できて価格も手頃」なことで、人工知能(AI)ビジョンや障害物認識機能などを搭載して価格が高くなってしまっては「本末転倒」だと考えている。思傲拓科技の低価格戦略は、ブランドとして進化するためのアプローチなのだという。鄧氏は、モバイルバッテリー大手の安克創新科技(Anker、アンカー)を引き合いに出し、海外進出した当時はコストパフォーマンスを売りにしていた同社も、市場の評価が高まるのとともに、徐々に有名ブランドになっていったと指摘した。

今後はサプライチェーンの最適化や製品コストの圧縮をさらに進める方針で、在庫管理と輸送時間の問題を解決するため、米国に自社倉庫を設ける計画だ。また、技術開発や生産規模の拡大を進め、プールの壁を登れる掃除ロボットの価格を現行の600ドル(約8万9000円)から300ドル(約4万4000円)に引き下げ、市場シェアのさらなる拡大を目指すという。

*1元=約20円、1ドル=約148円で計算しています。

(翻訳・田村広子)

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