中国の無人配送車「新石器」、新たに200億円調達 累計受注2万台超に

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自動運転レベル4の無人配送車(自動配送ロボット)を手掛ける中国企業「新石器(Neolix)」がこのほど、シリーズC+で10億元(約200億円)を調達したと発表した。複数の大手物流企業や中金資本(CICC Capital)などが参加した。資金はエンドツーエンド(E2E)モデルの改良や、多実用化の能力強化、無人物流の実現加速に使われる。

2025年初めに、新石器の無人配送車は累計2万台以上の受注を獲得し、今年には1万台以上を納入・管理する初の無人配送車メーカーとなる見込みだ。

技術のブレークスルーから商用化へ

道路輸送は中国の物流システムを構成する最も重要な要素だ。電動三輪車からワゴン車、トラックまで幅広い車種が使用され、営業用車両は2000万台に達する。物流業界では細切れなプロセスや配送効率の低さなどが長い間課題となっており、状況を打破する効率的なツールの登場が待ち望まれていた。業界の専門家は2025年は物流無人化が爆発的に拡大する年になると考えており、その先頭を走るのが新石器だ。

例えば、シリコンバレーの著名投資家、Cathie Wood氏がCEOを務めるARK Investment Managementがこのほど発表したレポート「Big Ideas 2025」では、自動配送ロボット分野で新石器がランキングの上位に入っている。

「Big Ideas 2025」での新石器のランキング

無人配送車はロボタクシー(自動運転タクシー)と似ており、業界では一般的に「ロボバン」と呼ばれる。その市場は今後ロボタクシーよりも大きく成長し、利用シーンが広がると考えられている。新石器は研究開発を続けて製品を進化させ、2021年に中国国内で初めて無人配送車の公道走行許可を取得し、公道で商用利用する先鞭をつけた。これまでに「X3」「X6」「X12」の3タイプをリリースしており、積載スペースの容積はそれぞれ3㎥、6㎥、12㎥で、宅配や生鮮品の低温物流、スーパーの配送サービスといったシーンで活用されている。

現在までに納品した無人配送車は約3000台、走行距離は累計で2400万kmを超え、世界でもトップクラスを誇る。また、順豊控股(SFホールディング)や京東集団(JDドットコム)、中国郵政集団(China Post)など宅配業を手掛ける大手企業に製品を提供する最大のサプライヤーでもある。また、新石器は省庁や委員会、都市などの自動配送ロボットに関わる法規や基準の策定に深く関わっている。これまでに85以上の都市で公道走行が可能なナンバープレートを取得しており、全国で交付されたナンバープレートの8割以上を占めている。

新石器は85以上の都市でナンバープレートを取得

新石器の創業者兼最高経営責任者(CEO)の余恩源氏は、無人配送車の利用シーンの複雑さは都市部での自動運転だけでなく、コスト削減と効率化のため、どのように無人の荷物積み下ろしや運搬を実現するかという点にもあると指摘する。新石器は利用シーンと地図システム、配車ニーズ、積み下ろしツールを高度に連携させることで、無人配送と自動積み下ろしを組み合わせた画期的なスタイルを実現した。これにより1件当たりの輸送コストが半分以下になり、ユーザーの利益は2倍以上になったという。

新石器の自動配送ロボット「X6」、積載スペースの容積は6㎥

新石器は2024年に独自開発のレベル4自動運転用の検知モデル「4D On Model」もリリースした。車体にカメラ12個とLiDARを1個搭載し、一般道路を時速70キロで走行できるほか、夜間や雨天、霧などの悪天候やさまざまな道路状況にも対応することができる。

また、高品質と低コストを両立させるため、自社のスマート工場を建設した。10分に1台を製造する能力を備え、8時間稼働で年間生産能力は1万台を超える。今年はさらに生産能力を拡大し、急激に増加する市場のニーズに応える予定だ。

新石器の自動配送ロボット「X6」、最高時速は70キロ

*1元=約20円で計算しています。

(翻訳・36Kr Japan編集部)

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