“世界最薄”の衝撃〜中国・美的、奥行き45cmの超スリム冷蔵庫を発売 リビングにも映える 

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中国家電大手の美的集団(Midea Group)はこのほど、ダイニングスペースに調和するように設計された、奥行きわずか45センチで容量427リットルの超薄型冷蔵庫を発表した。現時点で「世界で最も薄型の冷蔵庫」とされている。

従来の冷蔵庫は一般的に奥行が60センチ以上あったが、この冷蔵庫は標準的な壁面収納と奥行きが揃うようにデザインされ、設置した際にぴったり収まるようになっている。冷蔵庫の設置スペースの問題や、壁面収納と並べるとはみ出てしまい見た目が良くないといったユーザーこれまでの悩みを解消する。また、キッチンに置かれがちだった冷蔵庫をリビング・ダイニングにも設置しやすくなり、実用性とデザイン性を両立させたい若年層ユーザーの要望を満たすこともできる。

庫内は縦に2分割されたレイアウトで、上半部の冷蔵部分は左側が飲料や加工食品などそのまま食べるものの収納向けで、大きさや高さが不揃いなものも上手く収納できる折りたたみ式の棚が付いている。右側には生鮮食品などを入れ、独立した温度制御システムを搭載して鮮度を保てるようになっている。

美的の新型冷蔵庫

美的のチーフデザイナー梁允鎬氏によると、薄型ボディの実現を支えたのは3つの新技術だという。まず、従来の冷蔵庫では背面にあった冷却装置を中央部分に設置したことで、背面の空間が必要なくなった。次に、厚みが従来の3分の1で同等の保温性能を持つ超薄型の真空断熱材を採用した。そして体積を30%減らしながら冷凍能力を33%向上させ、小型で高機能なコンプレッサーを搭載したことで、45センチという薄型ボディを実現した。

スマート化と高級化のニーズが市場をけん引

美的の冷蔵庫事業部チーフプロダクト専門家の趙国堯氏は、「中国の冷蔵庫市場は今まさに発展の全盛期を迎えているが、長いスパンで見るとまだ成長の余地がある。それは主に製品のスマート化と多様なニーズへの対応にある」と指摘する。

これまで冷蔵庫市場では外資系ブランドが主力だった。しかし近年、その傾向は縮小し、美的を含め中国の家電メーカーがさまざまなスタイルの製品を発表するなど、存在感を強めている。

日本テレビ市場で中国メーカーシェアが約50%の衝撃

また中国で売り出される新築住居では、2018年以降キッチンの面積が明らかに狭くなっており、リビング・ダイニング一体型の間取りが増えている。こうした変化は若年層の生活スタイルの変化を反映したものだ。趙氏は、中国では家電製品に対し機能性だけでなくデザイン性も重視する傾向が強まっており、高価格帯モデルの伸びが著しいと指摘する。例えばビルトイン冷蔵庫の分野では、フラットタイプの冷蔵庫が登場から3、4年で急速にシェアを拡大しているという。

また、ユーザーは鮮度を保つという冷蔵庫の基本的機能だけでは満足しなくなり、AIによる庫内管理や食材認識、スマホアプリからの遠隔操作、自動温湿度調節など、スマート機能を求めるようになっている。

かつて冷蔵庫は4000~5000元(約8万~10万円)程度の低・中価格帯製品が主流だったが、今や価格の上昇はとどまるところを知らない。美的の高級ブランド「COLMO」では価格帯は1万~3万元(約20万~60万円)までに達しており、中国の冷蔵庫市場ではプレミアム志向が強まっていることがうかがえる。

美的は2016年3月に、日本の東芝から白物家電子会社「東芝ライフスタイル」の株式80.1%を537億円で取得している。

*1元=約20円で計算しています。

(翻訳・36Kr Japan編集部)

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