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中国海南省で13〜18日に開催された第5回中国国際消費品博覧会では、低空経済(低高度の有人・無人機を活用した経済活動)展示エリアが初めて設けられた。さまざまな低空飛行機が登場し、来場者に「低空消費」の魅力を伝えた。
電動垂直離着陸機(eVTOL)のスタートアップ企業、御風未来(Vertaxi)は「空飛ぶタクシー」の模型を初めて出展した。重さ2トン、純電動式の5人乗りで、中型から大型のスポーツタイプ多目的車(SUV)に匹敵する積載能力を持つ。展示エリアの担当者、卓海さんは、機械構造がシンプルなため製造と維持にかかるコストが比較的抑えられ、既に市場で大きな関心が寄せられていると紹介した。
小型無人機メーカーの広州億航智能技術(イーハン)が出展した無人航空機の中には、既に型式証明書・製造許可証・標準耐空証明という製造や飛行に必要な三つの「通行証」を取得している機体もあり、低空移動分野への幅広い導入が間近に迫っている。
低空域での航空交通は物流の効率化にも貢献する。ドローンは荷物の迅速な配送、特に緊急物資の輸送や遠隔地への配送で優位性が際立っている。
無人機メーカーの成都時代星光科技が出品した運搬用スマート無人機は、コンパクトながらも高強度な輸送に対応し、360度の障害物回避機能を備えている。氷点下40度、風力7級(秒速13・9~17・1メートル)の強風、大雨といった過酷な環境下でも定点作業や定時作業ができる。
製品のマーケティング責任者である同社の唐竜さんによると、既に美団などのフードデリバリープラットフォームと提携し、一部の都市で大学生向けの宅配サービスに活用されているという。
低空経済は、中国が「新たな質の生産力」(科学技術イノベーションが主導し、質の高い発展を促す生産力)を育成するための戦略的新興産業であり、ここ数年で政策の布石段階から産業化の段階へと向かいつつある。既に多くの都市が先行的な取り組みを積極的に進めており、広東省深圳市は2026年までに低空離着陸地点1200カ所以上を整備し、有人飛行、物流輸送、コミュニティー配送などの分野をカバーする計画を打ち出している。
博覧会に来場した多くの関係者は、低空技術の絶え間ない革新や社会への実装が進むにつれ、従来の都市の交通や物流の枠組みも変化し、「低空消費」の時代も近いとみている。【新華社海口】
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