eバイク変速をAIで自動制御、0.2秒で最適ギアに 中国Lofandiが新製品

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自転車用内装変速機(ギアハブ)の開発・製造を行う中国・洛梵狄智能科技(Lofandi Intelligent Technology)(以下、Lofandi)が、今年5月に開催された中国国際自転車展覧会(CHINA CYCLE 2025)で新製品「iGearbox」を展示した。「スマート制御+自動変速」を特長とする同製品は、従来の手動式変速機に代わり、eバイクの変速操作を大幅に簡略化・自動化することが期待されている。

従来のeバイク用変速機では、高いギアポジションのまま停車するとスムーズに発進できず、手動で何度も変速しなければならないほか、上り坂で自動的にシフトダウンできないといった課題を抱えている。

iGearboxを支えるスマート自動変速技術「DynaSync」ならこうした課題を解決できる。Lofandiが独自に開発したこの技術はセンサー、判断、実行という3つのシステムを連動させたもので、走行中のペダル回転数やトルク、勾配、速度などの主要データをリアルタイムで収集する。先進的な人工知能(AI)アルゴリズムが走行状態を正確に分析し、予測から0.2秒以内に最適なギアポジションを見つけ出す。

iGearboxは、システムによる完全自動変速とBluetoothを通じた手動変速の切り替えができる。サイクリング用アプリと互換性があるうえ、さまざまな走行シーンに応じてパラメータを事前に設定すれば、ユーザー好みのサイクリングが可能になる。また、大きな出力が必要な登坂時や積載時にも、頻繁に変速しなければならない複雑な路面状況にもスムーズに対応し、高負荷の変速時に故障しやすい従来の変速機の課題を解決した。1km当たり20回以上の自動変速が可能で、ユーザーは走ることに集中してサイクリングを楽しめる。

Lofandiは「DynaSync」技術をベースに3種類の変速機をリリースしている。特にeバイク用モーターを手がける中国の上場企業・安乃達(Ananda)と共同で開発した「R900」は、モーターユニット、3段変速機モジュール、電子制御システムを一体化したハブモータータイプの製品だ。伝達効率は95%以上、重さはわずか3.9キログラムで、ベルトドライブの車体と組み合わせればメンテナンスコストを30%減らせるという。この設計によって、メーカーは車体の構造に柔軟性を持たせることができ、配線をより単純化できると同時にシステムの信頼性を向上させられる。

また、今回展示されたミッドドライブモーター式自動内装7段変速機はギア比が4.35で、ハイエンドの電動アシストマウンテンバイク(eMTB)に向いており、完全な密閉構造によってメンテナンスフリーを実現した。

ミッドドライブモーターを搭載することが、eバイク業界のトレンドとなっている。一般的にクランク付近に設置されるこのモーターは、車体の重心が中央部の低い位置に集まるため、ハブモーターに比べてパワーや操作性に優れるほか、露出が無いことでメンテナンスコストも抑えられる。

eバイクの一大市場であるドイツでは、ミッドドライブモーターとハブモーターの搭載台数がほぼ半々となっている。その中で、大きな出力が求められるeMTBや電動アシストカーゴバイク(eCargo)には、ミッドドライブモーターを搭載することが多い。

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Lofandiは現在、技術開発や製品改良に注力する一方で、業務提携にも積極的に取り組んでいる。オフロード走行や貨物輸送といった特殊用途に対応するため、自転車の使用環境に応じたパラメータを開発し、顧客ニーズに合わせた変速システムのカスタマイズを行っている。こうした取り組みにより、提携企業との協業を通じて製品の差別化を図っている。

(翻訳・大谷晶洋)

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