トヨタ、中国・成都に水素燃料電池拠点 地元企業と200億円投資で合弁設立へ

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中国四川省成都市でこのほど、2025年「投資成都」グローバル投資誘致大会が開催された。トヨタ自動車(中国)投資の秋田隆・高級執行副総経理(上級執行副社長)は18日に会場で、「四川省におけるトヨタの事業が大きく発展できたのは、四川省、成都市の皆様の支援のたまものだ。引き続き、お互いで築いた信頼関係を大切に、一緒に事業発展できればと思っている」と語った。

秋田氏によると、同市では1998年にトヨタ自動車にとって中国初の生産事業体である四川一汽トヨタが設立された。当初は中型バスの「コースター」1車種のみだったが、27年に及ぶ継続的な発展を経て、現在では高級セダンの「アバロン」やSUVの「ランドクルーザープラド」などの車種も生産しており、長年にわたり中国の顧客に愛されている。

トヨタは今年、同省で新たな投資を開始し、地元の世界上位500企業である蜀道投資集団と提携して新たな合弁会社を設立し、総額10億元(約200億円)を投じて蜀道トヨタ水素燃料電池スマート製造拠点を建設する。

プロジェクトはすでに調印され、水素燃料電池スマート製造拠点基地を建設し、水素燃料電池システム生産ラインを構築することで、水素燃料電池(FC)システムやFCスタック(セル積層体)、重要部品の研究開発や生産、販売、アフターサービスを実現する。

同プロジェクトが完成すれば、大型トラックやダンプカー、バス、環境衛生車両など、さまざまな商用車種や利用シーンの需要を満たし、水素エネルギー産業チェーンの構築などで中国企業と幅広い協力を行うことができる。

秋田氏は、新しい合弁会社が年内の設立見込みだとした上で、「新会社の目標は、地域で最も良い水素企業となり、長期的に発展し、成都の水素社会構築を後押しし、二酸化炭素(CO2)排出量の削減と実質ゼロを目指す中国の『双炭(ダブルカーボン)』目標実現にも積極的に貢献していく」と語った。

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また、同市が低価格な水素ガスを供給でき、豊富なグリーン(環境配慮型)電力資源を持つなど、水素エネルギー産業の発展で大きな将来性を備えていることがプロジェクト実現の大きな要因と指摘。「成渝(成都・重慶)地区双城経済圏の建設と成渝水素回廊の構築は、商用車の巨大な需要も生む。また、政府の水素エネルギー発展への強い意欲と支援に加え、水素エネルギー車両の高速道路通行料減免などの強力な措置があり、水素産業発展に良好な政策的基盤が整っている」と説明した。

トヨタは長年にわたり水素エネルギー分野で投資と研究に力を入れており、14年には世界初の量産FC車種を発売した。ここ数年は中国の水素エネルギー市場でさまざまな取り組みを行っており、20年から21年にかけて連合燃料電池システム研究開発(北京)や華豊燃料電池などの合弁企業を相次いで立ち上げ、水素エネルギー分野への投資をさらに拡大している。【新華社成都】

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