「拼多多」に続きソーシャルEC「小紅書」もライブコマースサービスを開始 顧客獲得合戦激化へ

36Kr Japan | 最大級の中国テック・スタートアップ専門メディア

日本最大級の中国テック・スタートアップ専門メディア。日本経済新聞社とパートナーシップ提携。デジタル化で先行する中国の「今」から日本の未来を読み取ろう。

大企業編集部お勧め記事注目記事

「拼多多」に続きソーシャルEC「小紅書」もライブコマースサービスを開始 顧客獲得合戦激化へ

原文はこちら

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録

続きを読む

ユーザー同士での商品情報交換から始まったSNS型ECアプリ「小紅書(RED)」は、2013年の創業から6年あまり経ち、今では写真だけでなく、ショートムービー、Vlog(動画ブログ)等、様々な形式のコンテンツを提供している。

11月28日、北京で行われたユーザー向けのイベントで、小紅書コミュニティ部門の責任者である柯南氏は、今後一年以内に「フォロワー数1万人超のクリエイター(ブロガーやインフルエンサー等)10万人」と「月収1万元(約15万円)超のクリエイター1万人」の創出を目指すと発表した。これらの目標達成に向けて、来年1月には「クリエイターセンター」という新機能をローンチするほか、「ブランドパートナー」、「好物推薦(商品推薦)」、「ライブコマース」等のプラットフォームを開設していく予定だという。

中でも注目なのが、ライブコマースプラットフォームだ。

小紅書のMAU(月間アクティブユーザー数)は現在1億人を超え、「Notes(ノート)」という商品や体験のレビューが毎日30億件以上投稿されている。今や小紅書は若者の生活や消費活動に不可欠な情報源となり、様々なブームやヒット商品を生み出している。より多くの商品を売るため、クリエイターは日常的にコメント欄でフォロワーとやり取りを行う。

ライブコマースはショートムービーとは異なり、フォロワーとリアルタイムのやり取りが可能である。クリエイターはクーポンやポイント付与等のシステムを通じてフォロワーを囲い込み、これまで以上に動画の広告効果を高めることができる。

また、ブランドとパートナー(クリエイター)を効率的に結びつける「ブランドパートナー」プラットフォームは順調な滑り出しを見せている。同プラットフォームを使えば、両者間の発注、受注、支払いなど一連のやりとりがたった1時間で完了するという。報酬システムの透明化、ブランドとクリエイター双方の認証システム、多角的なデータ分析サービス等により、ブランド企業とクリエイター間の信頼関係が深まり、ブランドの認知から販売までの取り組みがよりスムーズになった。同プラットフォームには、すでに1万を超えるブランドが登録しているという。

もう1つの「好物推薦」プラットフォームとは、ユーザーを商品購入サイトへガイドする機能だ。クリエイターがノート上の書き込みに「商品カード」という機能を付加すると、そのノートを見たフォロワーはワンクリックで商品が購入でき、クリエイターも報酬を得ることができるという仕組みだ。

ライブコマースに関しては、すでにECサイト「淘宝(タオバオ)」や動画投稿アプリ「抖音(Douyin、海外版はTikTok)」をはじめとする大手プラットフォームが力を入れており、11月に低価格品を主とするECサイト「拼多多(Pinduoduo)」もサービスを開始するなど、競争が激化している。消費者にとって新たな魅力がなければ、厳しい顧客獲得合戦を勝ち抜くのは難しい。そのため、小紅書は「多様化」を目指し、クリエイター向けのデータ分析・運営ツール「クリエイターセンター」を打ち出している。

テーマ別コンテンツのフォロワーと非フォロワーのクリック率(CTR)の比較

来年1月にローンチされるクリエイターセンターは、ノートやフォロワーのデータ分析、コメント管理等の機能を備え、コンテンツのトレンドの解読やフォロワー分析などを通じて、クリエイターの創作活動を効率よくサポートすることができる。また、クリエイターは有料の補助ツールを使えば、より短時間でピンポイントに効果的なコンテンツを発信することができる。ちなみに、10月のイベントでは、より高度な経営とユーザー数増加を目指す「小紅書MCN共創計画」が発表された。

(翻訳・桃紅柳緑)

原文はこちら

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録

関連記事はこちら

関連キーワード

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録