マイクロLEDの中国・JBD、過去最大の220億円を調達 ARグラス市場を先導

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マイクロLED技術を基盤とした次世代マイクロディスプレイを開発・製造する中国企業「顕耀顕示科技(JBD)」がこのほど、シリーズB2ラウンドで10億元(約220億円)超を調達した。マイクロLEDディスプレイ分野では単一ラウンドとして世界最高額の調達となる。

今回の出資は、混沌投資(Chaos Investment)と中信金石(CITIC Goldstone)が主導し、中信証券(CITIC Securities)系ファンドを含む10社以上が参加した。調達資金は、マイクロLED技術のさらなる革新や製品アップグレードに投じられるほか、パートナー企業と連携し、消費者向けAR(拡張現実)製品のエコシステム構築を推進する。また、製品のグローバル展開を一段と加速させる方針だ。

JBDは2015年設立。マイクロLEDディスプレーの量産能力を備える業界有数の企業として、革新的なAR向けニアアイディスプレーを提供し、消費者向けARデバイスとAI技術の融合と普及を後押ししている。同社は独自のバックプレーン設計、有機金属気相成長法(MOCVD)による材料作成、加工、製造、パッケージング、テスト、専用アルゴリズムなど、マイクロLEDディスプレーパネル関連の総合的な技術体系を確立し、全方位的に業界の発展をリードしている。

ここ数年でAIとARの融合が進み、次世代のスマートデバイス開発の鍵となっている。香港の調査会社カウンターポイントは、デバイスのOEMメーカーやネット大手がARグラスの開発を強化しているため、今後数年で市場が急拡大する可能性があると指摘する。

AR向けニアアイディスプレー分野ではすでに、マイクロLEDディスプレーが主流の技術となっている。高輝度、小型、長時間駆動といった特性を備えるため、軽量化と全天候対応が求められるARグラスに最適なソリューションでもある。

フルカラー光学エンジン「Hummingbird Ⅱ」

JBDが2025年9月に発表したフルカラー光学エンジン「Hummingbird Ⅱ」は、サイズわずか0.2立方センチ、重さ0.5グラムと極めて小さく軽いため、ARグラスのデザインを邪魔せず、より軽い着け心地を実現する。

10月に発表したフルカラー光学エンジンの次世代シリーズ「Roadrunner」は、ピクセルピッチがさらに小さな2.5マイクロメートル(μm)となり、画素密度(ppi)は10160へと大幅に向上した。また、超小型マイクロLEDの発光効率低下という技術的課題を解決し、バックプレーンの消費電力を抑えると同時により高い発光効率を達成している。

フルカラー光学エンジン「Roadrunner」

JBDのマイクロLED製品は、霊伴科技(Rokid)の「Rokid Glasses」やアリババグループの「Quark AIグラス」、RayNeoの「X3 Pro」など国内ブランドのスマートグラス50機種近くに搭載されているほか、海外テック大手の量産受注も獲得している。2026年も、JBDの技術を活用した新製品が続々と発表される見通しだ。

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*1元=約22円で計算しています。

(翻訳・田村広子)

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