ヤマハ・ドゥカティを破った中国「ZXMOTO」、スーパーバイク世界選手権初勝利で注文殺到

3月28〜29日、ポルトガルのポルティマオサーキットで開催されたスーパーバイク世界選手権(WSBK)。フランス人ライダーのヴァランタン・ドゥビス選手が中国メーカー「張雪機車(ZXMOTO)」の「820RR-RS」を駆り、WorldSSP(ミドル重量級)クラスで2レース連続で優勝を果たした。

中国の二輪メーカーがこのカテゴリーで優勝を収めるのは史上初めてのことで、ドゥカティ、ヤマハ、カワサキなどの名門ブランドが数十年間にわたり築き上げてきた鉄壁の牙城に、中国勢が初めて風穴を開ける歴史的な快挙を成し遂げた。

WSBKは市販車ベースの改造車で争われ、量産規模2000台以上が参戦条件とされる。業界関係者によれば、今回の優勝は、エンジン限界性能、車体剛性、電子制御のチューニング能力がいずれも世界トップ水準に到達していることを意味する。

元バイク修理工が世界を震撼させた

この快挙の背後には、一人の男の不屈の闘志がある。ZXMOTO創業者の張雪氏(39歳)は、バイク修理工からキャリアをスタートさせた異色の技術者だ。中学卒業後にバイク修理店で修行を積み、2013年にわずか2万元(約46万円)の軍資金を手に「バイクの聖地都市」の重慶へ単身乗り込み創業した。

ZXMOTO創業者の張雪氏

2017年には共同創業者とともに「凱越機車(KOVE)」を設立し、450RR、500Xなどのモデルを相次いで投入。初年度800台だった販売台数は翌年3000台に達し、その後は年2〜3万台規模へと成長した。しかし2024年3月、エンジン自社開発への巨額投資を巡り共同創業者と対立し、2024年に自身が立ち上げた会社を離脱した。直後の同年4月に「ZXMOTO」を新たに設立した。今回の勝利は、まさに彼の「技術至上主義」が実を結んだ形と言える。

ZXMOTO 500RR

现在同社が展開する主力モデルは「500RR」、「820RR」、「500F」の3種類で、価格は2万9900元〜4万3800元(約69万〜約100万円)。「海外ブランドに匹敵するスペック、手に届く国産水準の価格」という戦略を掲げる。2026年3月時点で中国全国32省・直轄市に245店舗を展開しており、2025年の販売台数は2万5000台を突破したという。

今回のWSBK優勝を受け、SNSを中心に同ブランドの認知度が急速に高まっており、販売台数は足元で20〜30%程度伸びているという。販売現場では、以前は1カ月程度だった納車期間が、注文の急増により現在は3カ月以上待ちへと延びている。

*1元=約23円で計算しています。

(36Kr Japan編集部)

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