原文はこちら
セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け
メールマガジンに登録
2020年という新しい年を迎えて約1カ月が経過したが、昨年の中国市場における企業への投資・出資状況を総括し、今年1年の計画を立てる上で参考となる情報を提供してみたい。
1. 中国国内の出資件数は前年比50%を超える減少
2019年の1年間に4284件の出資が行われ、合計出資額は7743億元(約12兆800億円)に達した。平均して1日約11.74件の出資が行われたことになる。
しかし、2018年に比べ出資件数は5578件減少し、金額ベースでは4248億元(約6兆6300億円)の減少となり、それぞれ56%、35%の減少となった。
2014-17年のベンチャー投資のピーク時期に比べ、2019年の出資件数と出資額は50%を超える減少となり、出資件数は2014年以前の水準に、出資額は2017年以前の水準に落ち込んだ。
しかし注目に値するのは、出資件数が低迷する中、優良企業がより高い評価を獲得し、1件あたりの平均調達額が1億8000万元(約28億円)を超え、過去最高額を更新したことだ。
2. シード・エンジェルラウンドは2841件、シリーズAは1605件減少
昨年、シードラウンドとエンジェルラウンドで合計1225件の出資が行われた。またシリーズAでは1179件、シリーズBでは559件、シリーズCでは232件、シリーズDでは125件の出資が行われた。
これらの出資件数は2018年に比べ大幅に減少した。シードラウンドとエンジェルラウンドでは2841件、シリーズAでは1605件、シリーズBでは315件、シリーズCでは315件、シリーズDでは134件減少した。
3. 企業向けサービス、医療・ヘルスケアは依然として最大の投資分野
2018年に比べて、企業向けサービス、医療・ヘルスケア分野への出資件数は減少傾向にあるが、依然として最大の焦点となった。
2019年、企業向けサービス分野では1132件、医療・ヘルスケア分野では734件、消費分野では444件の出資が行われ、これらが年間出資件数の多い三大分野となった。また、金融分野では371件の出資が行われ、電子タバコ業界にけん引された製造分野でも363件の出資が行われた。教育分野は冷え込んだものの、330件の出資が行われた。
4. IPOによる投資家の収益は過去9年間で最低に
投資家にとって、昨年は必ずしも受け入れがたい年ではなかったかもしれない。
2019年、投資家はIPOを通じて約1348億元(約2兆1000億円)の収益を獲得したが、2018年比で2459億元(約3兆8400億円)減少した。また投資家はM&Aによって6482億元(約10兆1100億円)の収益を獲得したが、2018年比で3258億元(約5兆800億円)減少した。
しかし、長い時間でみると2019年のイグジット(Exit)の状況はまだ中央値にある。
イグジットの金額からみると、昨年は2011~19年のうちIPOによる資金調達額が最も低い年だった。
一方で注目すべきは、M&Aが投資家のイグジットの重要な手段となり、2019年には2018年とほぼ同数の合計953件のM&Aが行われた点だ。これは2019年のIPOの3倍の件数となっている。
(翻訳・普洱)
原文はこちら
セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け
メールマガジンに登録