アリババもオンライン教育分野に参入、小中学生向けの勉強Q&Aプラットフォームをローンチ

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アリババもオンライン教育分野に参入、小中学生向けの勉強Q&Aプラットフォームをローンチ

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新型コロナの流行が続く中、中国ではオンライン教育が人気を博している。「作業幇(Zuoyebang)」、「小猿搜題(yuansouti)」、「学霸君(xueba100)」などの小・中学生向け宿題解答と学習支援サービスは特に人気が高く、各IT大手がこの分野への進出を急いでいる。

アリババグループはこのほど、小中学生向けの勉強Q&Aプラットフォーム「幇幇答(Bangbangda)」を開発した。同グループ傘下のオフィスツール「釘釘(DingTalk)」内にもオンライン教育機能が備えられているが、学習支援専門のプラットフォームとしてはグループ初となる。

公開情報によると、幇幇答の開発者は「卓易暢遊(北京)科技有限公司」で、実際の運営はアリババグループ傘下の「阿里巴巴文化娯楽有限公司」だ。

幇幇答は、受講者がプラットフォーム上で必要な学習支援サービスを購入し、受講する形式だ。問題解説は画像、音声、動画等で行われる。また、正解が分からない難題があった場合、ユーザーはプラットフォーム上で解答を募集することができ、専門家レベルの教師が応募しオンラインで解説することになる。

同サービスのログインには、携帯電話番号、アリペイ、Wechatペイの3種の方法が設定されているが、小・中学生に人気のあるテンセントのSNSアプリ「QQ」によるログインを除外したことはやや意外である。

ログイン後、ユーザーは自身の需要に合わせて、ステイタスを質問者か回答者から選び、基本情報を記入すれば、アプリを利用できるようになる。現在、質問者は小・中学生と高校生に限定され、回答者は学歴により、学部生からポスドクまでと設定されている。つまり、回答者は必ずしも現役の教師ではなくともよく、学部生およびそれ以上の学歴がある人であれば、回答者として登録可能だ。

例えば、質問者が写真もしくは文字で質問を投稿し、問題の対応する学年、支払う料金を設定すれば、回答募集を開始することができる。質問の内容は審査され、審査通過後10分間以内に回答者が現れなければ、無料で回答されるようになる。

回答者としてログインした場合、トップページに回答待ちの問題の一覧があり、その中から問題を選択すれば回答できる。回答は文字でも、動画でも構わない。但し、回答する前には関連知識に関するテストがあり、合格した人だけに回答の資格があるという設定になっている。

回答後は質問者が回答内容を確認した上で、システムが回答者に一定の割合で報酬を支払い、評価も行う。回答者に信用ランクが設定されており、回答の質がランクに直結する。信用が0になった場合、回復はできず、アカウントがブロックされるようになる。

現在、幇幇答はまだテスト段階にあり、各種機能の設定はシンプルなものだ。競合相手の作業幇と異なり、保護者の監督管理機能、ライブ回答およびコミュニティ機能はないが、今後はそれらが追加される可能性がある。

コンサルティングサイト「艾媒諮詢(iimedia.com)」の分析によると、2020年中に中国のオンライン教育のユーザーは3.05億人になると見込まれ、インターネットと教育が融合する新しい学習法が拡大しつつある。各種プラットフォームが絶えず地方市場の開発に挑み、オンライン教育市場の裾野を広げたため、今後、ユーザー規模は更に膨らむという。

オンライン教育ブームの中で、アリババが進出を始めたのも自然なことだと思われる。しかし、新型肺炎の流行が終息したら、業界の状況は必ず一変する。最終的に誰が勝ち残るかはユーザーの判断次第である。

(翻訳:小六)

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