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建設業向けにAIロボットソリューションを提供する「大界機器人(RoboticPlusAI)」がこのほど、シリーズAで5000万元(約7億5000万円)を調達したと発表した。「深圳高新投(hti)」「正軒投資(Zengxuan Investment)」「線性資本(Linear Capital)」が共同で出資。既存株主の「龍騰資本(Dragonrise Capital)」と「Plug and Play」が追加出資し「雲岫資本(WINSOUL CAPITAL)」が財務顧問を務めた。今回調達した資金は建設業向けロボット製品やサービスの向上、マーケティングなどに充てるとしている。
2016年末に設立された同社は、建設ロボットの制御システムとアルゴリズム、「HCI(Human Computer Interaction、人と機械の相互作用)」のコア技術を主に研究している。業界大手が実用化を進める建設現場での施工ロボットとは異なり、ロボットを活用したシステムインテグレーション(SI)に特化。顧客の多様なニーズや実用シーンに応じた総合的なソリューションを低価格で提供することで、産業用ロボット導入のハードルを引き下げている。
同社のコア技術は三つある。一つ目は「BIM(Building Information Modeling:3次元の建築モデルをコンピューター上で構築するシステム)」のデータをロボットの運動制御ソフトウエアプラットフォームに組み込む技術。二つ目は建築分野の多様化した製造技術を幅広くカバーしたアルゴリズムライブラリー。三つ目は高速かつ使いやすいインタラクティブシステムだ。
2018年、同社はモジュール化した建設ロボットのアルゴリズムプラットフォームをリリースした。BIMとの接続が可能で、ワンクリックでロボットの動的シミュレーションを生成し、建設業界の「多品種少量生産」のニーズに対応する。また同社の移動式ロボットは工法や利用シーンに合わせてアームを切り替えることで、現場での施工効率を向上させる。
このほか、同社はビジュアルソリューションとリアルタイム制御システムを開発。顧客はプロジェクトの遂行と同時に、ロボットの稼働データをリアルタイムに収集して稼働状況を可視化することで、コスト管理やプロセスの最適化につなげることができる。
現時点で建設関連企業数十社と長期的な提携を締結しており、ロボットによる木材や鋼材、ガラス、繊維、その他複合材料の加工を実現するスマート化ソリューションを提供している。
孟浩CEOによると、同社はこれまでに提携工場と共に、政府や不動産大手、建築事務所などに総合的なスマート化ソリューションを提供してきた。建築産業の「D to M(デザインから製造まで)」のデジタル化を実現し、プロジェクトの工期と品質ともに高い評価を受けてきた。
研究チームは50人近いメンバーで構成され、その大半が国内外の名門大学で修士・博士課程を修めている。いずれもデジタル建築技術やロボットの運動制御、マシンビジョン、SLAM(自己位置推定と環境地図作成の同時処理)、人とコンピューターのインタラクティブなど最先端の分野を専攻している。
今後、スマート製造市場の規模は、拡大の一途をたどるとみられている。「2017-2018中国スマート製造発展リポート」によると、中国はすでに世界最大のスマート製造市場となっており、今年は市場規模が2200億元(約3兆3400億円)を超えると見込まれている。
(翻訳・山口幸子)
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