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ここ数年、中古スマホ市場が堅調だ。IDCが発表した最新リポート「2019-2023年世界リユーススマートフォン予測」によると、世界の公式リファビッシュ品と中古スマホの2019年の出荷台数は前年比17%増の2億670万台となり、2023年には3億3290万台に達し、年平均成長率(CAGR)は13%に上る見込みだ。一方、別のデータによると、中国市場のリユースモバイルの回収率は2%未満で、欧米先進諸国の50%前後の回収率とは大きな差がある。中国の中古スマホ市場には依然として大きな発展の余地が残されていることが分かる。
36Krはこのほど、スマホ回収を主業務とする企業「壹站收」を取材した。同社はスマホの査定業務を自動で行うことができるスマホ回収専用端末「EPBOX」を開発した。「EPBOX」は現在、中国国内に約2000台設置されているほか、日本やオーストラリアなどでも15台が設置されている。壹站收の廖偉権CEOは、現在のスマホ回収市場では多くの店舗が人手による回収業務を行っているため、個人の査定能力にばらつきがあり、買取価格の基準を制定しにくいと指摘。このままでは消費者の信頼や企業によるスマホの回収率に影響を及ぼし、さらには業界全体における中古スマホの流通効率も制限されかねないとの見解を示した。
廖氏は「これまでは、専門スタッフが自らの手と目で査定を行なってきた。実際のところ、ユーザーはこの査定結果をあまり信用していない。主観的な要素と不確実な要素が多いからだ」とし「海外のスマホ市場と比べると、中国のスマホ市場はやや複雑だ。海賊版の製品や部品が市場に出回っている上、無名のメーカーも多い。いかに正しい見積りをするかがスマホ回収業者の収益力に直接影響してくる」との見方を示した。
壹站收は競合する大部分のスマホ回収業者とは異なり、大型ショッピングセンター内のApple Storeや提携通信事業者の店舗にスマホ回収専用端末「EPBOX」を設置している。ユーザー自身がスマホを専用端末に接続すれば、自動で査定が行なわれる。その場で示される買取価格を確認し、代金を受け取れば全ての手続きが完了する。査定に必要な時間は従来よりも大幅に短縮され、回収業務の効率も向上する。
EPBOXには画像識別用のAIとスマホ本体をチェックするためのAIが搭載されている。画像識別用AIがキズの損傷具合を診断して査定を行い、査定価格を示す仕組みだ。廖氏は「カウンターでの査定価格にくらべ、統一基準に沿った見積りである。しかも、端末では液晶画面が正規品かや、肉眼では見つけにくい小さいキズやへこみなども速やかにチェックできる。この点は人的作業では難しい点だ」と述べた。
収益モデルにおいては、壹站收の主な収入源は中古スマホ取引きとの差額だ。同社のスマホ回収事業は2019年には黒字化し、12月単月の回収台数は22万台を超えた。また、Appleの中国法人とも提携し、中国全土のApple 製品の正規販売店で中古スマホの回収および買換え業務を行っている。
壹站收は今後、通信事業者と提携を結び、スマホ回収の安定的需要を段階的に切り開いていく計画だ。廖氏は「2020年は5Gの商用化にとって重要な1年となる。飽和状態になりつつあるスマホ市場を刺激し、ユーザーの買い替え需要によって回収の需要も生まれてくる。スマホ回収企業にとって、これは新たな成長点である」と語った。
壹站收はすでに「金沙江連合資本(GSR United Capital)」などから1億元(約15億円)以上を調達しているが、今年も新規資金調達を行う計画だ。このほか、新たな提携パートナーを発掘し、世界規模での市場開拓を行っていく方針だ。
(翻訳:lumu)
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