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米商務省は次世代通信規格5Gの標準化に関し、中国の通信機器大手ファーウェイと米国企業による提携を認める新たな規定を近く定める模様だ。ロイターが関係者からの情報として6日付で報じた。米商務省は昨年5月より、国家安全保障や外交政策上の懸念がある企業を列挙するエンティティー・リスト(EL)にファーウェイを加えているが、報道が事実であれば、ファーウェイが指定を解かれ、米国の5G敷設事業に参加することとなる。
ファーウェイが米商務省のELに掲載されて以降、米国の一部企業は5Gの標準規格策定に関するファーウェイとの協業中止を余儀なくされたほか、ファーウェイに対して製品や技術を輸出できなくなっていた。
今回ロイターに情報を提供した2人の関係者によると、米商務省はこうした状況を打開するための新規定に関し、草案の最終審査に入っている。草案が承認されればその他の関連機関に意見を求める方向だという。ただし、一連のプロセスにかかる期間や、関連機関の賛同が得られるかどうかは不明だ。米商務省の報道官およびファーウェイのスポークスマンはいずれも報道に関するコメントを避けた。
米国務省のある高官はロイターの取材に対し、「商務部のこうした動きは把握している」「我々は問題解決に向けた彼らの取り組みを支援する」と述べている。
新規定は5Gに関する発言権を左右するもので、利益争いへの発展は必至だ。ロイターは業界関係者と政府関係者のコメントとして、この新規定が「米国を不利な立場に追いやる」と予想している。5Gの標準規格策定に関して、ファーウェイの発言権は強い。
米国情報技術工業協議会(ITI)でアジア政策シニアディレクターを務めるナオミ・ウィルソン氏は、米政府が自国企業とファーウェイが競争関係を続けることを望んでいると指摘。「しかし彼らの政策では自国企業がファーウェイとの交渉に競り勝てないばかりか、ELに掲載されている他の企業にも勝てないだろう」と述べている。ただし、新規定はファーウェイのみを対象としたもので、ELに掲載されている他の中国企業は除外されるとの見方もある。
独知財関連情報会社IPlyticsが5Gを取り巻く状況についてまとめたデータによると、2020年1月時点で5G関連の標準必須特許(SEP)の出願件数は2万1517件あり、ファーウェイは3147件で世界1位だ。
独通信事業者ドイツ・テレコムのディルク・ヴゥスナーGMは2日、現地紙フランクフルター・アルゲマイネの取材に応じた際、ファーウェイの協力があれば自国の5G通信網を迅速に普及できると発言。5G基地局建設の過程ではすでに複数のサプライヤーと提携しているが、年内に2000基のLTE基地局を敷設するには「ファーウェイが必要だ」と述べている。
(翻訳・愛玉)
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