5G時代の新ツール、ビデオメッセージ「画音」 創業者はWeChat育ての親

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リアルな友人とつながるSNSツールの勢力図には長らく変化が見られていない。中国で国民的人気を誇る「WeChat(微信)」が11億人もの月間アクティブユーザー数を抱え込み、シェア拡大を狙う他のSNSサービスはほとんど食い込めていないのが現状だ。

そのWeChatといえども避けられないのが、時代の移り変わりの中で新たなユーザー層のニーズを満たすという課題だ。

テンセントに8年勤め、WeChatの誕生からユーザー10億人に成長するまでの歴史をその目で見てきたGenie氏によれば、WeChatが急成長できたのはスマートフォンと3Gの恩恵が大きいという。声を録音してそのまま送信するWeChatの音声メッセージは、煩わしい文字入力なしにやり取りできる手軽さがユーザーに受け、当時の3Gネットワークがこれを可能にした。

5G時代が到来した今、SNSツールも大きく様変わりすることが予想される。今後は5Gネットワークとカメラを組み合わせた新たなタイプのメッセージが主流になり、それに伴って新世代のSNSツールが生まれるはずだと、Genie氏は考えた。

そのため、Genie氏は2017年にテンセントを去って自ら起業、ついにビデオを使ったインスタントメッセージアプリ「画音(POP)」をリリースした。

ビデオメッセージという新たな形態

画音アプリの最大の特徴は、文字ではなく「ビデオメッセージ」という新しい手法で友人とやり取りするというものだ。

ここでいう「ビデオメッセージ」とは、あらかじめ撮影した動画を友人とのトークルームで送信するようなものではない。Genie氏によれば、これはビデオメッセージではなく「動画ファイル」を送信しているだけだという。ファイルのデータが大きければ送受信に時間がかかる上、動画を撮影してからWeChat画面に移行して送信するという手間がかかる。

このような手間を徹底的に省き、文字チャットのように手軽にやり取りしてもらうため、画音アプリではビデオメッセージの送受信に関わる全プロセスをアプリ内で完結するようにした。

画音アプリのビデオメッセージ受信画面

操作を簡略化するため、アプリ内の録画ボタンを押すと話し始めた時点で自動的に録画が始まるようになっている。録画したビデオメッセージには字幕や絵文字を加えることができるほか、ビデオメッセージの受信者はビデオを読み込みながら閲覧や入力など別の操作を行うことも可能だ。

インスタントメッセージ以外に「ストーリー」機能も実装しており、同じくビデオを使って日々の生活を記録できるようになっている。

「ストーリー」画面

「顔出し動画」に抵抗を感じるユーザーも少なくないが、画音アプリは家族や親しい友人とのやり取りを想定したツールだとGenie氏は説明する。離れて暮らす親子やなかなか会えない友人など親しい間柄でビデオメッセージを活用するなら、直接相手を見ることで心の距離を縮めることができるというのがその考えだ。

回り道の末、メッセージに帰結

画音アプリは2年にわたる模索の末にようやく完成したものだ。初めはWeChatというスーパーアプリが君臨するインスタントメッセージは避けて、ソーシャル性を前面に出したアプリという方向性で開発を進めていた。

当初は自分の日常を発信したり友人との連絡を保ったりする手段として、ストーリー機能をメインに打ち出していた。SNS疲れを回避するために発信メインにしたのだが、逆にやり取りが減ってユーザーはさみしさを感じるようになった。

そのため開発チームは路線変更を決める。アプリとしての立ち位置を「ツール」とし、使い勝手のよい動画編集ツールを目指すようになる。しかしツールとしては優れていても、そこからコミュニケーションにつなげるのは難しい。

当初の構想がどれも行き詰まったのを見て、開発チームは最終的にインスタントメッセージに回帰することになる。WeChatと直接対決することになる分野だ。

WeChatから画音アプリにユーザーが移行することについて、Genie氏はこう語る。「思うに、ビデオや動画はニーズではなく、一つの言語なのだ。これまではツールがなく、この言語を使う機会がなかったというだけのこと」

Genie氏は、将来もしビデオが基本的な伝達手段またコミュニケーション言語となるなら、人々はどんなツールを使ってやり取りするだろうか、という観点で考える。開発チームもこの疑問に対する答えを見つけることを目標に掲げてきた。リリースしたビデオ版インスタントメッセージは第一歩に過ぎない。チームは今後もさらに「5G+カメラ」時代の可能性を探っていくという。

創業者でCEOのGenie Lin氏はWeChatの元プロダクトディレクターでWeChat初期開発メンバーの一人。画音を運営する「早安科技(Good Morning Technologies)」はすでに「ベルテルスマンアジア投資基金(BAI)」からの出資を受けており、新たな資金調達も進めている。
(翻訳・畠中裕子)

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