時価総額10兆円を突破 新興EC「拼多多」急成長の背後にあるビジネスロジックとは

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時価総額10兆円を突破 新興EC「拼多多」急成長の背後にあるビジネスロジックとは

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2015年に創業された、新興共同購入型EC「拼多多(Pinduoduo)」の時価総額が、ここ3カ月足らずで2倍に跳ね上がった。4月14日の米国株式市場の取引終了後に500億ドル(約5兆3500億円)を超えたばかりだったが、現在までに1000億ドル(約10兆7000億円)超えを2回果たしている。その株価は年初から現在までで118.93%上昇した。

これは拼多多がアリババやテンセント(騰訊)、美団点評(Meituan Dianping)に次いで時価総額1000億ドル(約10兆7000億円)を超えた4社目の中国IT企業となったことを意味する。

時価総額が急上昇し続ける拼多多だが、会社としての資質は果たしてどうなのか。さらなる成長の余地はあるのだろうか。

バイドゥを追い抜き京東と「第4位」の座を争う

拼多多の時価総額が1000億ドル(約10兆7000億円)を超えたのは一朝一夕のことではない。

ここ半月の株価の推移を見てみると、時価総額が急上昇する節目は6月11日だったことが分かる。同日の終値は1.77%下落し、時価総額は856億4200万ドルだった。ここから拼多多の株価は一気に上昇を続け、時価総額が1000億ドル(約10兆7000億円)を突破するに至る。

拼多多と京東の時価総額の推移(データ:雪球、富途 作図:36Kr)

拼多多と同じく時価総額が上昇しているのがネット通販大手の「京東集団(JD.com)」だ。昨年9月から度々時価総額で最高額を更新している。しかし6月第2週以降、拼多多は時価総額で2度、京東を上回っている。これ以前、京東の時価総額はほとんどの場合拼多多よりも上だった。

上場しているIT企業のうち、時価総額上位3社はアリババ、テンセント、美団でほぼ固まっており、4位は京東、バイドゥ(百度)、拼多多の3社が争ってきた。

拼多多、京東、バイドゥの株価推移(データ:雪球 作図:36Kr)

より長いスパンで見ると、時価総額が初めてバイドゥを超えた2019年8月が拼多多の時価総額上昇の鍵となっていることが分かる。拼多多の時価総額は同年10月、一時的に初めて京東を超えた。その後再び京東の後塵を拝することになるが、今年2月に至るまで、拼多多の株価は上昇を続ける。時価総額の順位は長期的にバイドゥより上位を保ち、5月には再び京東を超えた。

振り返ってみると、拼多多の時価総額が初めてバイドゥを超えたのは昨年8月21日に発表した第2四半期(4~6月)の決算報告によるところが大きい。同四半期の売上高は市場予想を大きく上回り、営業損失と純損失も大幅に減少した。

拼多多の創業者でCEOの黄峥氏は昨年10月10日に行われた拼多多設立4周年の記念式典で、同社の直近四半期の実質GMV(流通取引総額)はすでに京東を超えており、これは自身の予想より丸2年早かったと述べている。

その後も拼多多からは株価に好材料となるニュースが相次いで発表され、市場の期待も高まったが、第3四半期(7~9月)の決算報告が11月20日に発表されると風向きは変わる。第3四半期の売上高は市場予想に届かず、純損失が市場予想を上回る結果となった。決算発表後、拼多多の株価は一気に15%下落。その後4カ月の間、同社の時価総額は420億ドル(約4兆5000億円)前後で安定して推移することになる。

時価総額急上昇の背後にあるビジネスロジックとは

新たなターニングポイントを迎えたのは今年に入ってからだ。

拼多多は今年3月11日、2019年第4四半期(10~12月)及び通年の決算を発表。今回もまた市場予想に届かない結果となった。黄CEOは決算報告の電話会議で新型コロナウイルスの流行が同社の業績に影響を及ぼしたと話している。決算発表の当日、拼多多の株価は6.42%下落した。

今年4月から上昇し続ける拼多多の株価(写真:雪球)

拼多多の株価が回復したのはテンセントからの増資と、家電大手「国美零售(Gome Retail)」の転換社債(CB)を2億ドル(約220億円)で引き受けることが評価されたためだ。

4月3日に米証券取引委員会に提出された文書によると、テンセントは5000万ドル(約53億5000万円)で拼多多のA類普通株を615万5740株購入し、持ち株比率が29.2%に上昇、引き続き第2位の大株主となったという。

国美零售と手を組むことで拼多多はサプライチェーンを強化し、物流とアフターサービスの弱点を補うことができる。これにより、客単価やリピート率の向上、顧客セグメントを高所得者層に向けて拡大することが可能となり、事業をオフラインに伸張することでオンライン・オフライン双方の販売経路を実現する。

そして2四半期連続の業績低迷を経て、拼多多はついに業績回復を果たした。

2020年第1四半期(1~3月)、拼多多の売上高はブルームバーグの予想を大きく上回った。年間アクティブユーザーは4290万人増えて6億2800万人になり、アリババの7億2600万人にあと1億人というところまで迫っている。損失額は市場予想を上回ったものの、投資家心理に影響はなかったとみられる。中国概念株が一斉に株価を下げる中、拼多多の株価は決算発表当日に14.5%上昇、時価総額は827億7700万ドル(約8兆8570億円)に達した。

複数のアナリストは、拼多多のビジネスストーリーはシンプルで分かりやすく、同社にはさらに大きな成長の余地があるとし、第2の「タオバオ(淘宝)」になる可能性もあるとの見方を示している。しかし、同時に多くの不確定要素も存在するため、引き続き今後の動向が注目される。

(翻訳・山口幸子)

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