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産後ヘルパーやベビーシッターなどを育成・派遣するサービス「好孕媽媽(mumway)」を運営する「好孕媽媽教育諮詢(Haoyun Mama)」がシリーズAで5000万元(約7億6200万円)を調達した。出資者はIDGキャピタルと惟一資本(WE CAPITAL)。調達した資金はさらなる事業拡大とサービスの拡充、OMO(オンラインとオフラインの融合)形式による職業教育全般への拡張へと充てる。
好孕媽媽は2014年に設立され、乳幼児やその母親を対象とした訪問サービス業界における人材育成と人材の組織化に取り組んできた。現在、中国国内の主要な一~二級都市と一部の地方都市に合計35カ所の人材育成センターを設けている。今後3年間に年間50カ所を新設する予定だ。
創業者の肖哲文CEOによると、同業界は長年にわたりサービス提供側の質にバラつきがあり、標準化および規範化がなされないままだった。好孕媽媽は業務の質をさらに向上させサービス供給体制全体の底上げを試みている。
そのためにもまずは人材育成から着手した。講師陣や教育体制を整え、標準化されたカリキュラムのもとに講義を実施し、理論と実践の両面から職業技能を高めてもらう。提供するサービスの内容も、従来のものから産後ケア、新生児フォト撮影、幼児の早期教育などの付加価値サービスにまで広げ、顧客との末長い関係をうながしていく。
経営面で見れば、育児支援サービスは利用頻度がそれほど高いわけではない。市場に参入している企業は仲介事業が主だが、サービス利用者と供給者の両側を取り持つのはコストもかかる。ところが、好孕媽媽のようにサービス供給者の育成事業から利用者とのマッチング事業、さらに付加価値サービス事業と三つの収益源を持つ体制であれば、健全なキャッシュフローが維持でき、長期的に安定した成長が望める。無論、企業側には高品質なサービスを展開する能力と組織運営力が問われる。
好孕媽媽は現在、医療・看護および早期教育関連のエキスパート約500人を講師として抱え、これまでに累計20万人の人材育成に携わってきた。訪問した家庭も20万世帯規模に及び、年間売上高は数億元(数十億円)に達している。
初期段階ではあるが底辺市場の開拓も進んでいる。河北省邯鄲市と山西省大同市の2都市で一~二級都市と同等の期間内にキャッシュフローがプラスに転じているという。こうした地方市場での経験を重ねれば、あとはひな型を流用していくだけだ。
資金調達に関しては、同業の「58到家(58 Daojia)」や「有福媽媽(YOUFUMAMA.COM)」と異なりあまり積極的ではなかったが、昨年初めての調達を行い、事業拡張に大きく弾みをつけた。肖CEOによるとシッターサービスや家事代行サービスは資金力が物を言う業界ではなく、質が勝負どころとなる業界であり、如何にサービスの質を上げるがポイントだという。
肖CEOは「設立6年を経た現在、スタッフやサービスの提供側における標準化システム、組織力の構築システムは着々とノウハウを蓄積してきた。IT化も段階的に進んでおり、今こそが規模拡張のタイミングだと考えている」と述べている。加えて、ソーシャルサービス系の職業教育は政府の支援も手厚くなってきており、将来的に同業界は急速に成長するとみられる。
(翻訳・愛玉)
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