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中国のコーヒー市場は急速な成長を続けている。コーヒーの小売には、現在2つの新しい路線がある。一つはデリバリー、コーヒースタンドのような店舗以外での飲用を視野に入れたオフライン展開であり、もう一つはコーヒーポーション、フリーズドライ、ドリップバッグコーヒーといった、手軽さと品質を兼ね備えた製品路線だ。
後者の有力企業の一つが「隅田川珈琲(TASOGARE)」だ。2020年7月末の時点で、同社の製品はアリババ傘下のECプラットフォーム「天猫(Tmall)」において、ドリップバッグ、ポーション、コーヒーパウダーの3部門で販売数1位となっている。オフラインでは、高級スーパー、ホテルなどに供給しており、売上高は年平均3倍の速さで伸びている。
日本帰りの創業者
隅田川珈琲の創業者・林浩氏は2000年に日本に留学し、NTTなど日本の大手企業に勤務した後、2008年に起業するために帰国した。隅田川珈琲を設立する前には、コーヒー貿易業界で6年近くの経験があり、日本のUCCやAGFなどのインスタントコーヒーの代理店の資格も取得している。
同社が中国で最初に販売した製品はドリップバッグコーヒーで、2009年から2014年の間に、中国国内で100万個以上を売り上げた。その後中国市場に合わせた製品開発を行い、日本のサプライチェーンを活用することで、2015年に正式に隅田川ブランドを打ち出すに至った。現在の主力商品の単価は2元〜5元(約30円から75円)となっている。
豊富な商品で幅広いニーズに応える
隅田川珈琲の販売中の商品には、ドリップバッグコーヒー、コーヒーポーション、コーヒーバッグ、フリーズドライ、コーヒー豆がある。
コーヒーポーションは最も手軽で、水で薄めればすぐに飲むことができ、牛乳で割るなどのアレンジも簡単だ。味はプレーンのほか、微糖、キャラメル・マキアート、抹茶、チョコレートなどのフレーバー入りのものがある。
フリーズドライも人気だ。同社のフリーズドライコーヒーは100%アラビカ種豆を採用し、先月発売を開始した。発売からわずか1カ月で、天猫から「スーパー人気商品」に選ばれた。
日本のサプライチェーンに学ぶ
隅田川珈琲の商品以外の最大の特徴は、サプライチェーンを重要視しているという点である。同社のドリップバッグコーヒー、コーヒーポーションはすべて日本で製造されており、年間数億杯の生産能力を誇るという。さらに、2020年は2019年よりドリップバッグコーヒーの生産能力を300%上げ、コーヒーポーションの生産能力を500%上げる予定だという。
日本と比べ、中国のコーヒーサプライチェーンはまだ未成熟である。ドリップバッグコーヒーの場合、中国ではまだ1分間50〜60バッグ生産という低速の設備を使用しているが、日本では1分間に200バッグが一般的だ。そのため、隅田川珈琲は日本のノウハウから学び、中国国内の生産ラインを改良するために、設備投資をも行っている。
もちろん、販路開拓も怠っていない。ECのほか、スーパー、コンビニ、ホテルなど、オフライン展開も積極的に行っており、現在2万以上の店舗や施設で同社の商品を購入することができる。林浩氏は同社の販売戦略を次のようにまとめている。「日常の飲み物としてコーヒーを求める人がいれば、その市場に進出する」(翻訳:小六)
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