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暗号資産取引サービス「火幣(Huobi)」、36Kr、中国メディア「Odaily星球日報」の共同主催による「2020 New Trend-Fintech and Blockchain Summit」が8月に北京市で開催された。
火幣の朱嘉偉COOは「ブロックチェーン―新インフラが定めた新たな使命」というタイトルの基調講演を行った。その抄訳は以下の通り。
政策の動向
皆さんとブロックチェーンについての知識と考察を共有することが出来て大変うれしく思う。昨年10月に中国政府がブロックチェーン戦略を打ち出してから、各レベルの政府、担当部門、機関がブロックチェーンの発展に取り組んでいる。今年7月には中国国家発展改革委員会も記者会見を開き、ブロックチェーンを新しい金融インフラと定義した。
ブロックチェーンの現状
デジタル通貨は当初、ウォレット、マイニング、取引所の構築に力を注いだ。
2014年、数十社に上る世界の著名金融機関がアライアンスを組んだ。スタンダードチャータード銀行、ドイツ銀行、「中国平安(Ping An)」といった大手も参加したが、その後いずれも脱退している。
2015年にはIBM、Intel、日立などの大手企業がオープンソースのブロックチェーンプラットフォーム「Hyperledger」を開発。現在、同プラットフォームは数多くのフィンテック企業に利用されている。
同時期に中央銀行デジタル通貨の研究機関が設立された。今年は中国のみならず、欧州を含む多くの国で中央銀行が法定通貨デジタル化の必要性を議論している。
また、今年は分散型金融も進んだ。融資と分散型取引所を中心にその資金量は数十億ドル(数千億円)に上り、100億ドル(約1兆円)も超えようかという勢いだ。
2015~2019年にベンチャーキャピタル(VC)の投資額は増え続けたが、増加する中でトレンドの変化もみられた。4年前の投資対象は米国企業が51%を占め、中国企業はわずか2%だったが、現在は米国企業が31%に下がる一方、中国企業は22%に上昇した。
ブロックチェーンの利用実態を見ると、サプライチェーン・ファイナンスでの利用が最も多く、ブロックチェーンが信用を裏付けている。
ブロックチェーンの活用分野は非常に多様で、どんな分野でも使うことができる。その理由はブロックチェーンそのものが基礎技術であるためで、ブロックチェーンを使えば何でも出来る。問題はそれを利用するニーズがあるかどうかだ。そのニーズの有無はどのように判断するのか。
これはどの業界もがたどってきた道であり、二十数年前のインターネットも同じようにゆっくりとニーズを見つけていった。私たちは大規模な利用シーンが生まれるのに3~5年はかかると予測しており、短期的には難しいと考えている。
利用シーン
現在、ブロックチェーンはどのように利用されているのか。簡単な例を挙げる。
最近、新型コロナウイルスの感染症が広がる中で米上院議会は、不正が無く透明性が高いという理由でイーサリアムを基盤とする投票システムの構築を検討していることが明らかとなった。ブロックチェーン投票も利用シーンの一つとなり得る。
火幣は世界的に事業を展開し、ブロックチェーンの実用も進めている。石油会社とはブロックチェーンポイントの導入を進め、石油会社の協力パートナー、顧客、自社を結び付けることでポイント発行を業績と販売の向上につなげた。
「二次元コード」ブロックチェーン管理は火幣中国が進めている事例だ。ブロックチェーンを使うトレーサビリティソリューションは、商品のトレース、在庫管理、マーケティングプラットフォームをつなぎ、ブロックチェーンのサプライチェーン管理と合わせて全プロセスを追跡できるシステムを構築した。
その他に火幣は「ブロックチェーン+サプライチェーン」、「ブロックチェーン+エネルギー」、「ブロックチェーン+小売」、「ブロックチェーン+金融」にも取り組んでいる。各業界でテストを行ったが、単独では十分なテストが出来ないため、ブロックチェーンの関係者や関連企業と協力しながら様々な分野でテストを進めたいと考えている。
火幣は日本、タイ、ジブラルタルでデジタル通貨取引所ライセンスを取得している。各国のコンプライアンスに基づき事業を展開すると共に、各国が進めるブロックチェーンインフラの構築をサポートしたい。
作者:Odaily星球日報(ID:o-daily)、秦暁峰、郝方舟
(翻訳・神戸三四郎)
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