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生活関連サービス大手の「美団(MEITUAN)」が、10月9日に社員向けのメールで、職務等級制度を2021年初頭から変更することを発表した。
これまでの美団の職務等級は、「P(専門職)」と「M(管理職)」の2つのカテゴリーに大別されたうえで、さらにそれぞれのカテゴリー内で「P+数字」の形で等級が区別されており、等級数は10以上あった。それらが、今後すべて「L+数字」という等級に統一される。
変更後、職務等級の数が減少し、その分昇進が難しくなる。さらに、これまで春と秋に一回ずつあった昇進時期が、来年からは春の一回のみになる。その代わりに、昇給時期が年2回となった。
制度変更前の美団は、昇進しないため昇給もないというケースが多かったが、制度変更後は、昇進できなくても、昇給できる可能性が高まった。これは、職務等級の低い従業員へのインセンティブを高めるためであろう。
今年で10周年となる美団は、グループ名称を「美団点評」から「美団」に変更したほか、事業も順調に拡大している。それに伴い、アリババグループ、拼多多などのライバルとの競争が激しさを増している。そのため、このタイミングで従業員の士気を鼓舞できるような制度変更をしたのである。
美団の従業員や転職エージェントに意見を聞いたところ、もっとも人数が多い低等級の従業員は、昇進よりも昇給を重要視するため、制度の変更には一定の効果があるとの声が多かった。しかし、会社全体の制度を一気に変えることになるため、すべての従業員が満足できるわけではない。たとえば、従来の「P3-1」と「P3-2」等級が、新制度では「L8」に統一されるため、「P3-2」の従業員が不満に思う可能性があり、それにより転職をする人も出てくるだろう。
インターネット大手では、テンセントが制度変更後の美団と似た職務等級を採用している。開発職を例にとると、昨年までは6ランクをさらにそれぞれ3等級に分け、計18等級だったが、今年から4〜17に簡略化し、等級ごとに異なっていた名称も統一した。
アリババは制度変更をしていないが、今年8月から、社内通信システムで通信相手の職務等級を表示しないようにシステムを変更した。相手の等級を意識させずに、より効率の良い組織運営を実現するための措置だ。美団、テンセントの制度変更も、同様に効率の向上を目指していると言えよう。新型コロナ禍から回復しつつある今、中国のインターネット企業は組織構造を見直し、さらなる成長へと準備を進めている。
(翻訳:小六)
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