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スマートフォン大手OPPOはこのほど、上海市黄浦区淮海中路の華獅広場にあるグローバル旗艦店を閉鎖した。この店舗はユーザーの体験とマーケティングを目的として2017年12月にオープンしたOPPO初のスーパー旗艦店で、500平方メートルの広さを有していた。
この店舗の情報はOPPOの公式サイトからすでに削除されている。
店舗がオープンした際には呉強副総裁が直接店舗へ赴き、開店の挨拶を行った。呉副総裁氏は旗艦店が「端末の小売り販売とブランド力の強化」という2つの側面を持つとし、「旗艦店はユーザーと直接コミュニケーションを取るための中心的な場所であり、上海のスーパー旗艦店はOPPOのブランド力を高めるための突破口だと考えている」と語った。
シャオミに比べてOPPOとvivoは、三級、四級の地方都市に細かな販売チャネルを多く持っている。OPPOは2019年からブランドおよび端末のハイエンド化を目指す過程で、チャネル運営戦略の見直しを行っている。
以前、OPPO中国地区の劉波総裁はインタビューに応え、中規模から大規模都市ではショッピングモール内店舗と専門店の展開を拡大し、地方都市ではスマートフォン販売店への出資を継続して行うと語っている。昨年6月、劉総裁は中国全土でショッピングモール内の店舗が600店を超えたことを明らかにした。
ショッピングモール内店舗と専門店はスマートフォン販売だけに特化しているのではなく、IoT製品の販売やブランドイメージの向上、ユーザーの製品体験などの役割も担っている。これらの店舗は都市の中心部にあり面積も広いため、地方都市のスマートフォン販売店に比べると、人件費や材料費、家賃などのコストが非常に高い。
旗艦店の閉鎖はコスト面以外にも原因がある。OPPOはファーウェイやシャオミに比べてIoT製品の拡充が遅れており、これが製品のラインアップ不足に繋がり、結果的に旗艦店の閉鎖を招いたとみられる。
経済ニュースメディア「界面(Jiemian.com)」は、OPPOのスーパー旗艦店閉鎖は「ビジネスニーズの変化」によるものだとしている。ITニュースメディア「DoNews」は、実店舗を担当する社員の話として「実店舗のコストは高過ぎるため、今年のOPPOはオンライン販売に主軸を移すことになる。実店舗については更なる縮小を行う可能性もある」と報じている。
2019年以来、ファーウェイは米国による制裁などさまざまな理由で市場シェアを減らしており、シャオミやOPPOなど他のスマートフォンブランドにとって、市場シェアを拡大するチャンスが到来している。
市場リサーチ機関「IDC」によると、2020年第4四半期、ファーウェイのスマートフォン全世界出荷台数は前年同期比42.4%減となった。現時点ではシャオミがこの恩恵を最も受けており、同四半期の出荷台数を前年同期比32%増としている。OPPOは同比10.7%の増加となった。
ファーウェイのシェアを奪うため、各スマートフォンメーカーはすでに手を打ち始めている。販売チャネルの空白を補うため、シャオミは地方都市での実店舗展開に注力し、OPPOはオンライン販売の強化を行っている。
スマートフォンメーカーがチャネル戦略を変更した場合、既存の販売代理店への影響は避けられない。上海の旗艦店閉鎖が報じられたのと同時に、OPPOは代理店の不安を鎮めるため、6つのサポート策を発表した。サポート策には、製品の安定供給、イメージ戦略、資金サポート、サービスサポート、集客イベントの開催、マーケティングなどが含まれる。
どのスマホブランドが最後の勝者になるかは、チャネル戦略の変化に製品がどこまで対応できるかにかかっている。
(翻訳・普洱)
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