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スマートフォン・通信機器大手ファーウェイが2日、自社で開発した「HarmonyOS(鴻蒙OS)」を正式発表した。あらゆるIoT機器に搭載でき、全てのデバイスに共通言語を持たせ、相互にシームレスに利用できるという。
決して大げさではなく、HarmonyOSは今後10年の中国のIoT市場を左右する存在になるかもしれない。
2019年8月9日、ファーウェイのコンシューマー向け端末事業を統括するリチャード・ユーCEOが初めて公式に発表した独自OSだが、その663日後、大規模なアップデートを経ての正式リリースとなった。スマートフォンの他に各IoT機器に搭載されることになる。
同日より同社のデバイスはHarmonyOSへと更新されていく。折りたたみ式スマートフォン「Mate X2」、フラッグシップスマートフォン「Mate 40」など今後発売される製品にも搭載され、近い将来、アップルのiOS、グーグルのAndroidに次ぐ「第三のOS」となる見通しだ。
大方の認識ではHarmonyOSは「スマートフォンのOS」だろう。しかし、実際はデバイス間をシームレスにつなぐIoT端末向けのOSであり、端末単体での展開を想定したものではない。
また、ファーウェイは(米国からの制裁により)Androidが使用不能になったため独自にOSを開発したと捉えられることが多いが、実際は業界の将来を予見して前もって準備を進めていた。
スマートフォンを中心に据えたモバイルインターネットの時代が続き、スマートフォン市場自体に天井が見え始めている。中国ではモバイルインターネットの月間アクティブユーザーが約11億5500万人、アプリ利用時間が1日平均5時間に達し、スマートフォン単体では限界が見え始め、顧客獲得コストも高騰している。
モバイルインターネット業界では競争の場がスマートフォンからオールシナリオに対応するマルチデバイスに移っており、IoT機器が成長のけん引役となっている。ある研究機関の統計では、1ユーザーあたりの端末所有台数は2025年に9台を超えるという。
現状、多くのスマート機器はオールシナリオには対応しておらず、複数の端末を連携させるプロセスは複雑で、データや機能を相互に同期することも難しい。端末間でデータやアプリを共有するには壁が残る。
ファーウェイはすでに5年前、上記の問題に着目していた。これがHarmonyOSを開発するに至った理由だ。HarmonyOSの出発点は、複数のスマート機器を一つのOSでつなげるというものであり、Androidでは不可能な課題解決を目指したものだった。
IoTが浸透しだして数年が経つが、「IoT端末でインターネットに接続する」という概念は一向に変わらない。反してファーウェイが目指すのは「複数端末の連携」だ。
現在、ファーウェイユーザーのうち6700万人が2台以上のファーウェイ製品を所有している。将来的にはスマートフォンがこれらを束ねるハブの役割を果たすことはなくなり、スマートウォッチが車載機器に、タブレットがテレビにといった具合に、HarmonyOSを共有することで各端末が直接連携し、非中央集権化が実現するだろう。
コンシューマー向け端末事業のソフトウェア部門を統括する王成録氏は、IoT市場が将来的にスマートフォン市場の10倍以上の規模に成長し、HarmonyOSがアプリ開発の改革を起こすと見込んでいる。OSを取り巻くエコシステムを完成させ、パートナーと協力を続けるためにも、今後もオープンソースを続けていくという。
リチャード・ユーCEOが言う「あらゆる物がインターネットに接続する時代には、誰しも置いてけぼりにはならない」との概念がHarmonyOSの魂となっている。
作者:WeChat公式アカウント「智東西(ID:zhidxcom)、雲鵬
(翻訳・愛玉)
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